第107回.プロシージャーの引数
Subプロシージャー、Functionプロシージャーにおける、引数リストの指定について説明します。
引数は、呼び出し先のプロシージャーに渡すデータを指定するものです。
呼び出される側のプロシージャーで受け取る記述についてのマクロVBA記述の説明になります。
引数の構文
Function name [(arglist)] [As type]
arglistは次の形式で指定します。
Optional |
省略可能です。 |
ByVal |
省略可能です。 |
ByRef |
省略可能です。 |
ParamArray |
省略可能です。 |
varname |
必ず指定します。 |
type |
省略可能です。 |
defaultvalue |
省略可能です。 |
ParamArrayについてはここでは解説を省略します。
配列になりますので、その前に配列を覚える必要があります。
VBAクラスの作り方:独自Rangeっぽいものを作ってみた
ByValの値渡しとは
つまり、値渡しでは呼び出し先で引数の値を変更しても、呼び出し元の引数は変更されません。
ByRefの参照渡しとは
つまり、参照渡しでは呼び出し先で引数の値を変更すると、呼び出し元の引数も変更されます。
Optionalについて
Optional指定された引数のあるプロシージャーを呼び出すときは、Optionalの引数を指定するかしないかを選択できます。
既定値が指定されていない場合は、引数は指定された型の初期値が使用されます。
ただし、Variantの場合はMissingになります。
IsMissing関数を使用します。
特に、ByVal、ByRefについては、しっかり理解して下さい。
詳細は、ByVal、ByRefについて
引数の使用例
Sub sample1()
Dim i, j
i = 1
j = 1
Call sub1(i, j)
MsgBox i
MsgBox j
End Sub
Sub sub1(arg1, arg2)
arg1 = arg1 + 1
arg2 = arg2 + 2
End Sub
上記のsample1を実行すると、2,3の順にメッセージ表示されます。
ByValもByRef指定していないので、ByRefとなっています。
参照渡し(ByRef)ですので、Call元のプロシージャーの引数も変更されます。
Sub sample2()
Dim i, j
i = 1
j = 1
Call sub2(i, j)
MsgBox i
MsgBox j
End Sub
Sub sub2(ByVal arg1, ByVal arg2)
arg1 = arg1 + 1
arg2 = arg2 + 2
End Sub
上記のsample2を実行すると、1,1の順にメッセージ表示されます。
ByValを指定しているので、値渡しとなっています。
この場合、Call元のプロシージャーの引数は変更されません。
Sub sample3()
MsgBox func3("引数", "テスト")
MsgBox func3("引数")
End Sub
Function func3(ByVal arg1 As String, Optional ByVal arg2 As String = "省略値") As String
func3 = arg1 & arg2
End Function
上記sample3を実行すると、"引数テスト"、"引数省略値"の順にメッセージ表示されます。
Optionalは、引数を省略可能であり、省略した場合の規定値を指定できます、上では"省略値"になります。
引数について
この引数の使い方を見れば、その人のプログラミングスキルが分かるといっても過言ではないでしょう。
プログラミングにおいては、引数の使い方を常に工夫していくものです。
プログラムを書くときは、常にもっと良い指定方法がないかといったことを考えます。
引数の使い方を考えることは、プログラミングスキルを確実に向上させます。
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