VBA入門
列挙型(列挙体)Enum

ExcelマクロVBAの基本と応用、エクセルVBAの初級・初心者向け解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2023-05-17

第109回.列挙型(列挙体)Enum


列挙体は、数値限定のConst定数をひとまとめにして参照しやすくしたものになります。
マクロVBAの中で、意味を持つ固定数値を直接記述することは、マジックナンバーとも呼ばれメンテナンス性がとても悪いものになってしまいます


例えば、列位置3(C列)を参照する場合、VBA内で何度も3と記述していては後で変更することが大変になります。
そもそも列位置3(C列)は何かという事がVBAコードから読み取れません。
そして、これが列位置4(D列)、列位置5(E列)、・・・と何列にも及んでいたら・・・

このような固定数値が連なって列挙される場合はEnumステートメントで列挙型を定義します。
Enum(列挙型)を使用することで可読性の良いVBAコードになります。


Enumステートメント

列挙型は、ある特定の正数値でしか初期化できないデータ型です。
Enumステートメントを宣言セクションに記述して使用します。

[Public | Private] Enum name
  membername [= constantexpression]
  membername [= constantexpression]
  ・・・
End Enum

Public 省略可能です。
列挙型 (Enum) が、プロジェクト全体から参照可能であることを指定します。
列挙型の既定値は、Public です。
Private 省略可能です。
列挙型 (Enum) が、宣言されているモジュール内でのみ参照可能であることを指定します。
name 必ず指定します。
列挙型 (Enum) の名前を指定します。
引数 name は Visual Basic において有効な識別子でなければなりません。
この名前は、列挙型の変数またはパラメータの宣言において、データ型として指定されます。
membername 必ず指定します。
定数の名前を指定する Visual Basic において有効な識別子です。
この名前により、列挙型 (Enum) の構成要素であることが認識されます。
constantexpression 省略可能です。
長整数型 (Long) として評価される、要素の値を指定します。
ほかの列挙型 (Enum) と同じ値も指定できます。
先頭を指定しないと、0が割り当てられます。
2番目以降を指定しないと、直前の値の+1が割り当てられます。

Enum ステートメントは、モジュール レベルでのみ記述できます。
正の値と負の値のどちらでも含むことができます。
変更する必要がない複数値をグループ化するときは、とても効率的です。

さらに列挙型の良い所は、インテリセンス(自動入力補完機能)が使用できるところです。
列挙型 (Enum) の名前まで入力するとメンバーが自動表示されます。
これによりコーディングが楽になり、また、可読性も向上します。
VBA マクロ Enum 列挙

constantexpression(要素の値)を省略した場合

先頭の要素の値を省略した場合は0になります。
2番目以降は直前の値の+1になります。

Enum enumSample1
  a1 '0
  a2 'a1+1=1
  a3 = 11
  a4 'a3+1=12
  a5 'a4+1=13
End Enum


constantexpression(要素の値)に定数地や数式を指定した場合

Enum enumSample2
  a1 = 3
  a2 'a1+1=4
  a3 'a2+1=5
  a4 = a3 + 10 '=15
  a5 'a4+1=16
End Enum

Const a99 = 10
Enum enumSample3
  a1 = 3
  a2 'a1+1=4
  a3 'a2+1=5
  a4 = a3 + a99 '5+10=15
  a5 'a4+1=16
End Enum

要素の値に、他の定数(列挙を含む)を使った計算式を指定することもできます。


値に定数ではなく変数を指定するとコンパイルエラー

Public b99 As Long
Enum enumSample2
  a1 = 3
  a2 'a1+1=4
  a3 'a2+1=5
  a4 = a3 + b99
  a5 'a4+1=22
End Enum

VBA マクロ Enum 列挙


列挙型(Enumステートメント)の使用例

Enum 列位置
  A列 = 1
  B列 = 2
  C列 = 3
End Enum

Enum 支店番号
  A支店 = 101
  b支店 = 102
  c支店 = 103
End Enum

Sub sample()
  Cells(1, 列位置.A列) = 支店番号.A支店 'Cells(1, 1) = 101
  Cells(1, 列位置.B列) = 支店番号.b支店 'Cells(1, 2) = 102
  Cells(1, 列位置.C列) = 支店番号.c支店 'Cells(1, 3) = 103
End Sub

使い方はいろいろです。
正数値でグループ化出来る場合は、ConstではなくEnumを使った方がインテリセンスも効いてより効率的なコーディングが可能になります。

VBA マクロ Enum 列挙


列挙型(Enumステートメント)の活用について

マクロVBAを書いているときは列位置などは頭に入っているので、固定数値で書くことに不便はないでしょう。
しかし、後々に修正する必要が出たとき、列位置の数値がどこで指定されているかを探すことは、とても大変な作業になります。

B列がC列に変更されたことでマクロVBAを変更するとして、
数値の23に変更するためには、2を検索したとしても、検索された2が列数なのか行数なのか、、、
ひとつずつ前後のVBAコードの確認が必要になります。

そして、列がずれるという事は、B列だけではなくその後ろの列が全て変わるという事になり、
これらを全て正しく変更することは、多大な時間を要することになります。

このような事を考慮して、これに事前に対応する手段として列挙体はとても有効です。
そして、インテリセンスによって非常に効率的にVBAを書くこともできます。
このようにとても便利な機能ですので、ぜひ列挙体を活用してみてください。


サイト内の活用事例

VBA100本ノック 83本目:請求書を作成してPDF出力
・出題 ・頂いた回答 ・解説 ・補足 ・サイト内関連ページ
VBA100本ノック 88本目:クロスABC分析作成
・出題 ・頂いた回答 ・解説 ・補足 ・サイト内関連ページ




同じテーマ「マクロVBA入門」の記事

第102回.Intersectメソッド
第103回.UnionメソッドとAreasプロパティ
第104回.GetPhoneticメソッドとSetPhoneticメソッド(フリガナ)
第109回.列挙型(列挙体)Enum
第110回.ユーザー定義型・構造体(Type)
第111回.静的配列
第112回.動的配列(Redim)
第113回.配列に関連する関数
第114回.セル範囲⇔配列(マクロVBA高速化必須テクニック)
第115回.Split関数
第116回.ファイル操作Ⅱ(OpenとClose)


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

無効な前方参照か、コンパイルされていない種類への参照です。|エクセル雑感(2024-02-17)
初級脱出10問パック|VBA練習問題(2024-01-24)
累計を求める数式あれこれ|エクセル関数応用(2024-01-22)
複数の文字列を検索して置換するSUBSTITUTE|エクセル入門(2024-01-03)
いくつかの数式の計算中にリソース不足になりました。|エクセル雑感(2023-12-28)
VBAでクリップボードへ文字列を送信・取得する3つの方法|VBA技術解説(2023-12-07)
難しい数式とは何か?|エクセル雑感(2023-12-07)
スピらない スピル数式 スピらせる|エクセル雑感(2023-12-06)
イータ縮小ラムダ(eta reduced lambda)|エクセル入門(2023-11-20)
PIVOTBY関数(縦軸と横軸でグループ化して集計)|エクセル入門(2023-11-19)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.RangeとCellsの使い方|VBA入門
3.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
4.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
5.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
6.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
7.並べ替え(Sort)|VBA入門
8.条件分岐(IF)|VBA入門
9.マクロとは?VBAとは?VBAでできること|VBA入門
10.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。



このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ