第133回.引数の数を可変にできるパラメーター配列(ParamArray)
Subプロシージャー、Functionプロシージャーにおいて、
引数リストの数を特定せず、不定個数の引数を渡せるよう可変にしたい場合があります。
=SUM(数値1,数値2,...)
このように、最後が「,...」となっていて、いくつでも(限度はありますが)指定できる関数です。
ParamArrayキーワード(パラメーター配列)を使用します。
以下では、引数の構文と名前付き引数について確認しつつParamArrayについて解説します。
引数の構文
Function name [(arglist)] [As type]
Optional |
省略可能です。 |
ByVal |
省略可能です。 |
ByRef |
省略可能です。 |
ParamArray |
省略可能です。 |
varname |
必ず指定します。 |
type |
省略可能です。 |
defaultvalue |
省略可能です。 |
ByValの値渡しとは
つまり、値渡しでは、呼び出し先で引数の値を変更しても、呼び出し元の引数は変更されません。
つまり、参照渡しでは、呼び出し先で引数の値を変更すると、呼び出し元の引数も変更されます。
名前付き引数について
先頭より、
第1引数, 第2引数, 第3引数, ・・・
と呼びます。
引数の数が多いと、何番目なのかを意識することは面倒になりますし混乱します。
そこで、
引数に名前を付けて、その名前で指定できるようにしてあります。
それが、
名前付き引数です。
名前付き引数名:=値
このように、:=で値を指定します。
ParamArrayキーワード(パラメーター配列)とは
ParamArrayキーワードは、その引数がバリアント型(Variant)の要素を持つ省略可能(Optional)な配列であることを示します。
ParamArrayキーワードの制限
ByVal,ByRefやOptionalの指定はできません。
Variant以外の型を指定した場合はエラーとなります。
ParamArray引数を指定する場合には、名前付き引数を使うことはできません。
ただし、ParamArray引数を省略する場合には名前付き引数を使う事はできます。
呼び出し時に、ParamArray引数を省略した場合
UBound関数の戻り値が-1となります。
ParamArrayキーワード(パラメーター配列)の使用例
ParamArrayだけの場合
Sub sample1()
Call sample1_sub(123, "abc", #10/7/2019#)
End Sub
Sub sample1_sub(ParamArray p())
Dim i
For i = LBound(p) To UBound(p)
Debug.Print p(i)
Next
Dim v
For Each v In p
Debug.Print v
Next
End Sub
For~とFor Each~の2通りのサンプルになります。
ParamArray引数が省略された場合は、どちらの場合もイミディエイトには何も出力されません。
他の引数がある場合
Sub sample2()
Call sample2_sub(123, 456, "abc")
End Sub
Sub sample2_sub(arg1, ParamArray p())
Dim i
For i = LBound(p) To UBound(p)
Debug.Print p(i)
Next
End Sub
ParamArray引数が省略された場合、
Call sample2_sub(123)
この場合はイミディエイトには何も出力されません。
ParamArray引数を省略した場合
Sub sample3()
Call sample3_sub
End Sub
Sub sample3_sub(ParamArray p())
If IsMissing(p) Then
Debug.Print "引数なし"
Else
Debug.Print "引数あり"
End If
If UBound(p) < LBound(p) Then
Debug.Print "引数なし"
Else
Debug.Print "引数あり"
End If
End Sub
IsMissing関数で判定するほうが良いでしょう。
UBound関数で判定する場合は、-1判定でも構いませんが、
UBound < LBoundで判定するこ方法も良いと思います。
ParamArray引数を配列で返す関数
Sub sample4()
Dim v
v = sample4_fnc(123, "abc", #10/7/2019#)
Debug.Print Join(v, ",")
End Sub
Function sample4_fnc(ParamArray p()) As Variant()
Dim i, ary
ReDim ary(LBound(p) To UBound(p))
For i = LBound(p) To UBound(p)
ary(i) = p(i)
Next
sample4_fnc = ary
End Function
ここでは配列にして返していますが、
実際は、Functionの中で配列を使って処理する場合のサンプルです。
エラーとなる記述






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