空白セルを正しく判定する方法(IsEmpty,IsError,HasFormula)
空白セルの判定は、マクロVBAにおいては頻繁に発生しますが、
正しく空白セルを判定する事は以外と難しいものです。
これが、はっきりしない為に何が正しいのかが判然としないことが問題を複雑にしています。
セルの値が空白の判定
If Cells(1, 1).Value = "" Then
'空白
End If
If Len(Cells(i, 1).Value) = 0 Then
'空白
End If
普通に、= ""が最も簡単です。
わざわざLen関数を使っているのを、ネットでは割と多く見かけます。
恐らく、古いVB等の記述からきているのでしょうが、
VBAでは特に使う必要性はないように思います。
僅かな差ではありますが、LenB関数を使うとさらに速くなります。
ただし、いずれにしても計測するのが困難なほどの時間差しかありません。
空文字列の扱い方と処理速度について(""とvbNullString)
では、これで空白セルの判定は終わりでしょうか・・・
それでは、この記事の意味がありませんね。(笑)
もし、A1セルに関数が入っていて、その結果が空白の場合です。
この場合に、空白セルと判定したくない場合です。
これは良くある事です。
何らかの対策が必要になります。
計算式が入っていない判定
If Not Cells(i, 1).HasFormula Then
If Cells(1, 1).Value = "" Then
'空白
End If
End If
HasFormula
そのRangeオブジェクトに数式が入力されているかどうかを判定し、
数式が入っている場合はTrue、数式が入っていない場合はFalseが返されます。
数式が入力されていない状態で、""なら空白と判断しています。
これで大抵の場合はOKでしょう。
通常は、数式の結果がエラー値となっているので、
HasFormulaで、はじかれるので問題ないのですが、
エラー値そのものが値としてセル入っている場合は、
If Cells(i, 1) = "" Then
ここで、「型が一致しません」のエラーが発生してしまいます。
コピペで値貼り付けしている場合にはこれがありえます、そしてエクセルではしばしば発生します。
これを避けるように何とかしたいところです。
エラー値の判定
If Not IsError(Cells(i, 1).Value) Then
If Not Cells(i, 1).HasFormula Then
If Cells(i, 1).Value = "" Then
'空白
End If
End If
End If
IsError
引数の値がエラー値かどうか判定し、
エラー値の場合はTrue、エラー値以外の場合はFalseが返ります。
ここまで判定すれば問題ないでしょう。
VBA関数はいろいろ用意されています。
IsEmpty関数:空白を判定するVBA関数
If IsEmpty(Cells(i, 1).Value) Then
'空白
End If
マクロVBAを上達する為には、VBA関数の習得は必須です。
どんなVBA関数があるかは、一通り見ておく事をお勧め致します。
ただし、IsEmpty関数は計算結果が空白("")セルを値貼り付けした場合にはFalseを返します。
これは、Excelの機能のジャンプでも、「空白セル」として判定されません。
従って、
IsError、HasFormula、= ""
この3段階判定がやはり必要になります。
やはり、空白判定は、とても面倒なものです。
TypeName関数:データ型を判定するVBA関数
TypeName(Range("A1").Value)
※.Valueを省略してしまうと、"Range"になってしまいます。
しかし、計算結果が空白("")セルを値貼り付けしたセルの場合は、"String"が戻ってきます。
If TypeName(Cells(i, 1).Value) = "String" Then
If Not Cells(i, 1).HasFormula Then
If Cells(i, 1).Value = "" Then
'計算結果が空白("")セルを値貼り付けしたセル
Stop
End If
End If
End If
RangeオブジェクトのFormulaプロパティ
Cells(i, 1).Formula = ""
これで判定できるのではないかというご意見をいただきました。
・セル値が空白
・計算式が入っていない
・計算結果が空白("")を値貼り付けした場合は空白判定
確かにFormulaだけで、これらを満たす判定が可能です。
Cells(i, 1) = ""
これでは、
・数式が入っているセルが判定出来ない → Not Cells(i, 1).HasFormula
・エラー値の場合 → Not IsError(Cells(i, 1))
と解説を進めて、では最終的にどのような判定が良いかという段で、いろいろと意見をもらいました。
どれをどのように使うかは、処理内容によってさまざまになると思います。
一番わかれるところは、計算結果が空白の場合どうするかという事でしょう。
「セル値が空白のセルに色を塗る」とした場合、
計算結果が空白も対象にしたい場合が多いと思います。
この場合は、
Not IsError(Cells(i, 1))
Cells(i, 1) = ""
この組み合わせで判定が必要になってきます。
ここでの、各プロパティを随時組み合わせて実現したい処理に対応してください。
空白セルを正しく判定する方法続編
さらに別の判定方法も追加して、
セルの状態により、それぞれがどのような判定結果になるのかを一覧にまとめました。
ぜひこちらの追加記事も参考にしてください。
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