VBA技術解説
ユーザー定義関数の作り方

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
公開日:2013-06-11 最終更新日:2020-08-26

ユーザー定義関数の作り方


マクロVBAを作成して、ボタンで一括処理・・・それほどではないが、関数だけではちょっと大変、


そんな時は、ユーザー定義関数を使ってみましょう。
作り方は簡単です。

簡単な例でユーザー定義関数を作ってみましょう

Function UserFunc(a As Variant, b As Variant) As Variant
  UserFunc = a + b
End Function


上記は、引数を足し算して返すユーザー定義関数です。

Function UserFunc
  ・・・
Function

これは決まり文句です。

UserFunc

これが関数の名前になります、好きな名前を付けられます。
日本語もOK。
ただし、エクセルの組み込み関数と同じ名前はダメですよ。

この関数が返す値の型を

As Variant


これで定義します。
最初はとりあえず、Variantで良いです。

(a As Variant, b As Variant)

これが引数になります。
必要な個数だけ定義します。
型指定は内容に応じてと言う事になりますが、ほとんどの場合はセル参照になると思いますので、
型は省略(Variant)してください。

UserFunc = a + b

関数の名前に値を入れる事で、この関数の戻り値となります。

この部分に、必要な処理を記述します。
もちろん、全てのVBAのコードが使用可能です。

この関数の使い方

他の組み込み関数と同じです。
セルに、

=UserFunc(セル参照, セル参照)

これで使えます。
また、関数の挿入(Shift + F3)では、

「関数の分類」「ユーザー定義」に追加されます。

ここから選択することも可能です。
そして、当然、数式パレット(引数入力用のダイアログ画面)も表示されます。

IF文のネストが多くなり、もう何が何だか分からなくなってしまった等の時は、
このユーザー定義関数を作ると、ずっとすっきりしたエクセルになります。
まだ、使ったことのない人は、ぜひ一度お試しください。

ユーザー定義関数の実践使用例

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