Rangeオブジェクト.Valueの省略について
エクセルVBAを教えていて、これほど多く聞かれる質問はないでしょう、
RangeやCellsの.Valueは省略したほうが良いか、書いた方が良いか、
当然、省略出来ない場合もあれば、オブジェクトとして扱うために.Valueは書けない場合もあります。
ですので、
結論から言えば、書きたければ書けば良いし、書きたくなければ書かなくて良い。
ただし、
.Valueを省略出来ない場合、.Valueは書けない場合、.Valueを書かない方が良い場合があります。
順に解説していきます。
.Valueを省略出来ない場合
これは値のコピーと同様になります、Value値のみ右辺から左辺に代入されます。
この場合は、右辺の赤太字.Valueが省略できません。
左辺の.Valueは省略可能です。
A1セルにシート名が入っているとして、そのシートに対して何らかの処理をする場合です。
この場合も省略できません。
引数の型がObjectになっているため、省略してしまうとRangeオブジェクトを渡すことになってしまうからです。
このTextToDisplayでは.Valueは省略できません。
.Valueは書けない場合
このAnchorでは.Valueを書くことはできません。
並べ替えでHeader:=xlNoの場合は、Keyに値つまりValueを指定できません。
.Valueを書かない方が良い場合
並べ替えでHeader:=xlYesの場合は、Valueを付けても省略してもどちらでも動作します。
しかし、ここでの本質は、ソート範囲内における列位置を指定すべきものです。
Valueを指定するのは見出しの文字を引き渡すことになります、xlYesの場合は良いのですが先のxlNoの例からも指定すべきではないです。
また、Valueを指定しなければ、見出し行のセル以外でも良く、ソート範囲内のキーにしたい列のセルならどこでも良いのです。
(もっとも、中途半端な行を指定するのは、別の意味で良くありませんが)
この場合は、通常はValueをつけても動作します。
しかし、検索値が日付の場合は、うまく動作してくれません。
そもそも、WorksheetFunctionはシート関数です、そしてその引数はセル(つまりRangeオブジェクト)を指定するものです。
可読性を考えて書き分ける
と
Sub bbb(b1 As Range)
この時、Call側では
Call bbb(セル)
説明は不要だと思いますが、
aaaでは、.Valueは書いても書かなくても良い。
bbbでは、.Valueは書けない。
このような場合は、あえてaaaでは.Valueで渡してあげます。
これが可読性を上げるということです。
Dim c
For Each c in Selection
c = "id" & c
Next
End Sub
いやいや、そもそも
Dim c
って・・・
そんな話をするくらいなら、
Dim c As Range
と指定しましょうよ。
Rangeオブジェクトから話がずれてしまっているし、無理やりサンプルを持ち出している感満載です。
というか、そもそもSelectionに対して、For Each処理を初心者に教えるべきではないですね。
省略出来ない場合もあれば、オブジェクトとして扱うために.Valueは書けない場合もる。
なので、
書きたければ書けば良いし、書きたくなければ書かなくて良い。
できれば、Rangeオブジェクトの本質を知ったうえで、書く書かないを決めていただきたいと思います。
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