VBA入門
セル範囲⇔配列(マクロVBA高速化必須テクニック)

ExcelマクロVBAの基本と応用、エクセルVBAの初級・初心者向け解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2024-04-10

第114回.セル範囲⇔配列(マクロVBA高速化必須テクニック)


セル範囲をVariant型変数に入れる事で、配列を作成することができます。
また、配列をセル範囲にまとめて出力する事も出来ます。


これは、マクロVBAを高速処理したい時の必須テクニックになります。
マクロの処理が遅い場合は、このテクニックが使えないか検討してください。

マクロが遅いという相談の多くは、Applicationのプロパティ設定で大幅に速くなることが多いですが、
そもそもデータ量が多いために時間がかかっている場合は、マクロVBAを根本的に見直す必要が出てきます。

第57回.Applicationのプロパティ(マクロ高速化と警告停止等)
・Applicationの主要プロパティ ・ScreenUpdating(マクロVBAの高速化) ・DisplayAlerts(警告停止) ・Interactive(ユーザー操作の禁止) ・Calculation(計算方法) ・StatusBar ・Cursor ・その他

マクロVBAの処理速度を改善するときの基本として、「セル範囲⇔配列」が必要となります。



セル範囲⇔配列の基本VBA

Dim MyArray
MyArray = Range("A1:B100").Value
'・・・処理・・・
Range("A1:B100").Value = MyArray

※.Valueは省略しても構いません。
=CELL("address",A1)
各セルにこのような数式を入れて実行すると、

VBA Excel マクロ セル範囲⇔配列

MyArray = Range("A1:B100").Value
これで、MyArrayは配列になります。

MyArray(1 To 100, 1 To 2)
このような縦横の2次元配列です。

Range("A1:B100").Value = MyArray
これで、配列の中の値が全てセル範囲に一括で出力する事が出来ます。

セル範囲を受け取る変数宣言について

変数MyArrayは、データ型を指定していませんのでVariant型になっています。

Dim MyArray
Dim MyArray As Variant
これは、どちらも単なるVariant宣言です。

Dim MyArray()
Dim MyArray() As Variant
これはVariantの配列宣言になります。

セル範囲とのやりとりにおいては、どちらでも構いません。
VBA内部としては厳密には違いがありますが、一般的に気にするような違いはありません。

※本サイト内では、
Dim MyArray
この記述を基本としていますが、他の記述をしている場合もあります。


配列の下限について

セル範囲のValueを入れた配列の下限は1になります。
LBoundが必ず1になる点に注意して下さい。
ただし、セルに出力する場合の配列下限は1でも0でも、どちらでも構いません。

第113回.配列に関連する関数
・LBound関数とUBound 関数 ・Array関数 ・IsArray 関数 ・Join関数 ・Filter関数 ・Eraseステートメント
VBAにおける配列やコレクションの起点について
・LBound関数とUBound 関数 ・Array関数 ・IsArray 関数 ・Join関数 ・Filter関数 ・Eraseステートメント


使用例

以下は、配列を使わない場合と、配列を使った場合のサンプルになります。
速度の違いは一目瞭然ですので、実際にやって体感してみて下さい。

Sub sample1()
  Dim i As Long
  Application.ScreenUpdating = False
  For i = 1 To 100000
    Cells(i, 3) = Cells(i, 1) * Cells(i, 2)
  Next i
  Application.ScreenUpdating = False
End Sub

Sub sample2()
  Dim i As Long
  Dim MyArray1
  Dim MyArray2
  MyArray1 = Range("A1:B100000")
  ReDim MyArray2(1 To 100000, 1 To 1)
  For i = LBound(MyArray1, 1) To UBound(MyArray1, 1)
    MyArray2(i, 1) = MyArray1(i, 1) * MyArray1(i, 2)
  Next i
  Range("C1:C100000") = MyArray2
End Sub

単に、100,000行の掛け算をしています。

セル範囲とやり取りする配列は、
必ず2次元の配列になっている必要があります。
2次元配列として定義するか、Variant型への代入の結果が2次元配列になっていればよいです。
セルに出力するだけなら1次元配列でも出力可能です。
Range("A1:C1") = Array(1, 2, 3)
1次元配列は、横向きのセル範囲に出力できます。

上記の、
ReDim MyArray2(1 To 100000, 1 To 1)
これは、
C列に出力する為の配列で、2次元で定義しています。
1次元目が行、2次元目が列に相当します。

要素下限を0開始にしても構いませんが、セル範囲とやり取りすることを考えると、
1開始にしたほうが方が理解しやすいと思います。
VBAにおける配列やコレクションの起点について
・配列の起点について ・コレクション ・Collectionオブジェクト ・その他:文字列関数 ・配列の起点の原則

これほど単純な処理は、あまり無いと思いますが、
大量データを扱う場合は、適宜配列を使うようにする事で高速処理を実現する事が出来ます。
ぜひ、マスターして頂きたいテクニックになります。


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