第113回.配列に関連する関数
マクロVBAで配列を使う上で必要となるVBA関数がいくつかあります。
より便利に配列を活用するために必須となるVBA関数です。
・UBound関数
・Array関数
・IsArray関数
・Join関数
・Filter関数
・Eraseステートメント
こちらについても合わせてここで説明しておきます。
・Split関数については別ページで解説します。
LBound関数とUBound 関数
arrayname | 必ず指定します。 配列変数の名前です。 変数の標準的な名前付け規則に従って指定します。 |
dimension | 省略可能です。 バリアント型 (内部処理形式 Long の Variant) の値を指定します。 添字の最小値を調べる対象となる配列の次元を示す整数を指定します。 最初の次元なら1、2番目の次元なら2、というように指定します。 引数 dimension を省略すると、1が指定されたものと見なされます。 |
arrayname | 必ず指定します。 配列変数の名前です。 変数の標準的な名前付け規則に従って指定します。 |
dimension | 省略可能です。 バリアント型 (内部処理形式 Long の Variant) の値を指定します。 添字の最小値を調べる対象となる配列の次元を示す整数を指定します。 最初の次元なら1、2番目の次元なら2、というように指定します。 引数 dimension を省略すると、1 が指定されたものと見なされます。 |
For i = LBound(MyArray, 1) To UBound(MyArray, 1)
For j = LBound(MyArray, 2) To UBound(MyArray, 2)
MyArray(i, j) = 0
Next j
Next i
上記では、2次元配列MyArrayの全次元の全要素に0を入れています。
LBound関数とUBound関数の第2引数に配列の次元数を入れています。
(MyArray, 1) で1次元目の下限と上限、(MyArray, 2) で2次元目の下限と上限を取得しています。
Array関数
指定した値は、バリアント型 (Variant) に格納されている配列の要素に代入されます。
引数arglistを指定しない場合は、長さ 0 の配列が作成されます。
Dim MyArray
MyArray = Array(10, 20, 30)
この結果、MyArrayは、
LBound(MyArray)は0、UBound(MyArray)は2となります。
つまり、
MyArray(0) = 10
MyArray(1) = 20
MyArray(2) = 30
このようになります。
IsArray 関数
引数 varname には、変数を指定します。
IsArray 関数は、指定した変数が配列の場合は、真 (True) を返します。
それ以外の場合は、偽 (False) を返します。
IsArray 関数は、特に配列を含むバリアント型 (Variant) の式 に有効です。
Dim ary1
Dim ary2(5)
MsgBox IsArray(ary1) 'Falseと表示される
MsgBox IsArray(ary2) 'Trueと表示される
ReDim ary1(5)
MsgBox IsArray(ary1) 'Trueと表示される
実際に変数に値が入っているかどうかは関係ありません。
変数が配列かどうかだけを判定します。
Join関数
sourcearray | 必ず指定します。 結合する文字列を含む 1 次元配列を指定します。 |
delimiter | 省略可能です。 戻り値となる文字列を区切るのに使用する文字を指定します。 省略すると、スペース (" ") が使用されます。 引数 delimiter が長さ 0 の文字列 (") である場合は、リスト内のすべての項目が区切り文字なしで連結されます。 |
Dim i As Long
Dim MyArray(1 To 3)
For i = 1 To 3
MyArray(i) = i
Next
Debug.Print Join(MyArray, ",")
イミディエイト ウインドウには、
1,2,3
と出力されます。
Filter関数
sourcearray |
必ず指定します。 |
match |
必ず指定します。 |
include |
省略可能です。 |
compare |
省略可能です。 |
引数 sourcearray 内で引数 match に一致する文字列がなかった場合は、Filter 関数は空の配列を返します。
引数 sourcearray が Null 値であるか、1 次元配列でない場合は、エラーになります。
Filter 関数が返す配列は、一致した項目数分だけの要素が含まれています。
Dim MyArray
MyArray = Array("東京都", "神奈川県", "千葉県", "茨城県", "大阪府")
MsgBox Join(Filter(MyArray, "県"), ",")
神奈川県,千葉県,茨城県
このようにメッセージ出力されます。
Eraseステートメント
Eraseステートメントは、
固定サイズの配列の場合は要素を再初期化し、動的配列の場合は割り当てたメモリを解放します。
静的数値配列 | 要素はすべて 0 に設定されます。 |
静的文字列配列 (可変長) | 要素はすべて長さ 0 の文字列 ("") に設定されます。 |
静的文字列配列 (固定長) | 要素はすべて 0 に設定されます。 |
静的バリアント型 (Variant) 配列 | 要素はすべて Empty 値に設定されます。 |
ユーザー定義型配列 | 各要素は、別個の変数として設定されます。 |
オブジェクト配列 | 要素はすべて特別な値 Nothing に設定されます。 |
Dim NumArray(10) As Long
Dim StrVarArray(10) As String
Dim StrFixArray(10) As String * 10
Dim VarArray(10) As Variant
Dim ObjArray(10) As Object
Erase NumArray 'すべて0に
Erase StrVarArray 'すべて長さ0の文字列("")に
Erase StrFixArray 'すべて0に
Erase VarArray 'すべてEmpty値に
Erase ObjArray 'すべてNothingに
Dim DynamicArray() As Long
ReDim DynamicArray(10)
Erase DynamicArray 'メモリを解放
ユーザー定義型の配列については例に示しませんでしたが、それぞれの型で初期化されます。
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