VBA関数
CVErr関数

Excelマクロで必須のVBA関数を入門・初級・初心者向けに詳細解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2021-10-13

CVErr関数


CVErr関数は、指定した数値(エラー番号)を、バリアント型のエラー値に変換した値を返す変換関数です。


CVErr関数

CVErr(errornumber)

errornumber
任意の数値 (エラー番号) を指定します。
この引数は必ず指定します。

CVErr 関数を使用して、作成したプロシージャ内でユーザー定義のエラーを作成できます。
CVErr 関数を使用することにより、どのような動作が行われたのかを知らせるエラー番号を返すことができます。

エラー番号のデータ型を暗黙的に変換することはできません。
たとえば、CVErr 関数の戻り値をバリアント型以外の変数に直接代入することはできません。

CVErr関数の使用例

ヘルプのサンプルです。

' エラーが発生する値 (ここでは、文字列) を引数として指定し、Function プロシージャ CalculateDouble を呼び出します。
Sub Test()
  Debug.Print CalculateDouble("345.45robert")
End Sub

' Function プロシージャ CalculateDouble を定義します。
Function CalculateDouble(Number)
  If IsNumeric(Number) Then    ' 受け取った値が数値であれば、
    CalculateDouble = Number * 2  ' 結果を返します。
  Else              ' 数値以外のときは、
    CalculateDouble = CVErr(2001)  ' ユーザー定義のエラー値を返します。
  End If
End Function

CVErr関数を使用して作成するFunctionプロシージャは、戻り型がVariantで指定する事になります。
Variantを使う事自体は問題ありませんが、受け取った呼出し側で正常処理とエラー処理を分けざるを得なくなります。

結局受け取った側でエラー判定が必要になるなら、CalculateDoubleを呼ぶ前に数値チェックを行うことと変わりがありません。
したがって、この例は実用的なVBAとは言えません。
あくまで、CVErr関数の動作確認のVBAとお考え下さい。

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CCur関数 Currency -922,337,203,685,477.5808 ~ 922,337,203,685,477.5807。
CDate関数 Date 任意の有効な日付式。
CDbl関数 Double 負の値の場合は -1.79769313486231E308 ~ -4.94065645841247E-324
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CDec関数 Decimal ゼロスケールの値 (小数部分がない値) の場合は 79,228,162,514,264,337,593,543,950,335 です。
小数点以下が 28 桁の値の場合は 7.9228162514264337593543950335 です。
0 以外で可能な最小値は 0.0000000000000000000000000001 です。
CInt関数 Integer -32,768 から 32,767。
小数点以下は丸められます。
CLng関数 Long -2,147,483,648 から 2,147,483,647。
小数点以下は丸められます。
CLngLng関数 LongLong -9,223,372,036,854,775,808 から 9,223,372,036,854,775,807。
小数点以下は丸められます (64 ビット プラットフォームのみで有効)。
CLngPtr関数 LongPtr 32 ビットのシステムでは -2,147,483,648 ~ 2,147,483,647
64 ビットのシステムでは -9,223,372,036,854,775,808 ~ 9,223,372,036,854,775,807。
32 ビットと 64 ビットのどちらのシステムでも、小数部分は丸められます。
CSng関数 Single 負の値の場合は -3.402823E38 ~ -1.401298E-45
正の値の場合は 1.401298E-45 ~ 3.402823E38。
CStr関数 String CStr の戻り値は、引数に依存します。
CVar関数 Variant 数値の場合はDoubleと同じ範囲です。
数値以外の場合はStringと同じ範囲です。


Office VBA リファレンス データ型変換関数


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プロシージャを呼び出すときに省略可能なバリアント型(Variant)の引数がプロシージャに渡されたかどうかを調べるために使用します。IsMissing関数 IsMissing(argname) argname 引数argnameは必ず指定します。
IsNull関数
引数の式に無効なデータ(Null)が含まれていないかどうかを示すブール型(Boolean)の値を返します。引数の式がNullの場合、IsNull関数はTrueを返します。それ以外の場合、IsNull関数はFalseを返します。
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IsNumeric関数は、式が数値として評価できるかどうかを調べ、結果をブール型(True,False)で返します。IsNumeric関数は値が数値変換可能かどうかを判定する関数です。IsNumeric関数 IsNumeric(expression) expression 必ず指定します。


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