よくあるVBA実行時エラーの解説と対応
VBAを書き終えて、いざ実行したら意味不明なメッセージが・・・
ここでは初心者向けに、代表的な実行時エラーの解説とその対応について説明します。
データ型のエラー
型が一致しません。:実行時エラー13

Dim i As Long
i = "A"
単純は例としては、このような状況です。
Longに対し文字列を入れているのでエラーとなります。
違うデータ型であっても、自動変換可能なものはエラーとならず、データ変換されます。
i = 1.2
であれば、iには1が入ります。
もう少し複雑なコードの時に、どこがエラーなのかが直ぐには分からない場合があります。
Dim i As Long
For i = 1 To 10
Cells(i, 3) = Cells(i, Cells(i, 1)) / Cells(i, 2)
Next
もし、こんなコードで、型が一致しませんとなったら、どこが悪いのかは直ぐには分からないでしょう。
A列、B列に数値以外が入っていても発生しますし、A列の数値が5なら、E列が文字でもこのエラーになります。
エラーで止まった時点で、iの値を確認し、
当該行のデータを確認するか、イミディエイトウィンドウで、一つづつ確認するしかありません。
イミディエイトで値の確認
計算時のエラー
オーバーフローしました。:実行時エラー6
0 で除算しました。:実行時エラー11

Longに30億とか入れればオーバーフローしますが、実務的にはあまり無いと思います。
※Longは、-2,147,483,648 ~ 2,147,483,647
むしろ、0÷0の時に、このオーバーフローになります。
Dim i As Long
For i = 1 To 10
Cells(i, 3) = Cells(i, 1) / Cells(i, 2)
Next
このような場合に、
分子分母ともに0の時は、オーバーフロー
分母のみ0の時は、0除算となります。
インデックスのエラー
インデックスが有効範囲にありません。:実行時エラー9

配列を使っている場合は勿論発生しますし、配列を使う人は承知しているはずです。
むしろ、配列など知らない・使っていないのに・・・
そのような場合に、何が悪いのか悩んでいることが多いように感じます。
このような場合の多くは、シート名が間違っているだけの事が多いです。
Worksheets("Sheet1").Select
Sheet1が存在しなければ、インデックスのエラーとなります。
オブジェクトの設定エラー
オブジェクト変数または With ブロック変数が設定されていません。:実行時エラー91

Dim ws As Worksheet
With ws
.Cells(1, 1) = 1
End With
Dim ws As Worksheet
ws.Cells(1, 1) = 1
単純な例としては、このようなものになります。
オブジェクト変数に何も割り当てられていないことによるエラーです。
この場合は、エラー停止した行のオブジェクト変数の中身を確認します。
上記のVBAであれば、wsに何も設定していない為にエラーとなっています。
メソッド・プロパティのエラー
メソッドまたはデータ メンバが見つかりません。:コンパイル エラー

オブジェクトは、このプロパティまたはメソッドをサポートしていません。:実行時エラー438

前者は、記述としてはメソッドになります。
後者は、メソッド・プロパティどちらでも発生しうるエラーです。
Dim ws As Worksheet
Set ws = ActiveSheet
ws.Calculata
Cells(1, 1).Font.Siza = 14
どちらにしても、単純にスペルミスという事ですので、しっかりと確認すればわかるはずです。
そもそも、入力候補が出るように記述を進めることが肝心です。
インテリセンス(入力支援、入力候補)から選択するようにすれば、このエラーはほとんど出なくなるはずです。
入力するプロパティのスペルに自信が無ければ、
Cellsだけ、もしくはCells()と引数を省略して、.を入力すれば、

ただし、後から引数を入れ忘れないようにしてください。
引数のエラー
名前付き引数が見つかりません。コンパイル エラー

引数は省略できません。コンパイル エラー

引数の数が一致していません。または不正なプロパティを指定しています。コンパイル エラー

MsgBox Prompy:="タイトル"
PromptがPrompyになっています。
MsgBox
省略できない必須の引数が指定されていません。
MsgBox 1, 2, 3, 4, 5, 6
MsgBoxの引数は全部で5つです。
関数・メソッドでは、インテリセンス(入力支援、入力候補)が出るので、しっかりと見ながら入力してください。
表示されているものをよく見ながら入力すれば、このような事にはなることは避けることができます。

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