Google Apps Script応用
Excel流の最終行の取得

Google Apps Script(GAS)の応用編です
公開日:2016-11-06 最終更新日:2021-04-14

Excel流の最終行の取得

Excelでは、xlUpやxlDownで指定列の最終行を取得することが多いです。
Google Apps Scriptにもどうようのものは用意されています。
かなり記述が複雑になっててますが、このGASの書き方を紹介します。


また、自作したらどうなるか、という事で書いたGASも紹介しておきます。

もちろん、getLastRow()だけで取得できるようにシートを作成することが望ましいのですが、
必ずそのように作成できるとは限りませんので、一応は考えておいた方が良いだろうという事です。

VBA流の、最終行、最終列の取得

上から下、下から上、右から左、左から右
これらのGASの書き方です。
function lastRowColumn() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet()
  var lastRow,lastCol
  //先頭行から下方向
  lastRow = sheet.getRange(1, 2).getNextDataCell(SpreadsheetApp.Direction.DOWN).getRow();
  Logger.log(lastRow);
 
  //最終行から上方向
  lastRow = sheet.getRange(sheet.getMaxRows(), 2).getNextDataCell(SpreadsheetApp.Direction.UP).getRow();
  Logger.log(lastRow);
  //先頭列から右方向
  lastCol = sheet.getRange(2, 1).getNextDataCell(SpreadsheetApp.Direction.NEXT).getColumn();
  Logger.log(lastCol);
 
  //最終列から左方向
  lastCol = sheet.getRange(2, sheet.getMaxColumns()).getNextDataCell(SpreadsheetApp.Direction.PREVIOUS).getColumn();
  Logger.log(lastCol);
}

上記のGASではログに出力しています。
ログを見るには、
「メニユー」→「ログ」

GAS入門 最終行

Logger.logについて
Logger.logはログを表示します。
出力されたログを見るには、
GAS入門 最終行

%sというログ表示する書式を指定するプレースホルダーも用意されています。
Logger.log(format, [values, …]);
例、
Logger.log("配列の中身は%sです", arg);

自力で最終行を求める


データは連続入力されていることを前提とするなら、
上から処理しつつ、データの無いセルになったら、そこが最終行という判定です。
function mySample6() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet()
  var tannka,suuryou,lastRow
  lastRow = sheet.getLastRow()
  for (var i=2; i<=lastRow; i++) {
    if (sheet.getRange(i, 2).getValue() == "") break
    tannka = sheet.getRange(i, 2).getValue()
    suuryou = sheet.getRange(i, 3).getValue()
    sheet.getRange(i, 4).setValue(tannka * suuryou) 
  }
}

上記では、B列の最終行まで処理します。
ifで、B列が空であれば、forを抜けています。

Excelでは、最終行取得の定番として、
・エクセルVBAにおける最終行取得の必要性 ・.End(xlDown):Ctrl+↓ ・.End(xlUp):Ctrl+↑ ・Endプロパティの方向(↑↓←→)について ・セルの行数を取得するRowプロパティ ・Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Rowを日本語に訳す ・EndプロパティがRangeオブジェクトを返す ・Endプロパティの問題点 ・最終行に関するサイト内のページ
Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
このように書きます。
これは、シートの一番下からCtrl+↑で突き当たった行数を取得します。
これと同じことを自力でやってみましょう。
getLastRow()から上に向かって、最初にデータが入っているセルが最終行と判定しています。
function getLastRow(sheet,col){
  var lastRow = 1
  for (var i=sheet.getLastRow(); i>1; i--) {
    if(sheet.getRange(i, col).getValue() != "") {
      lastRow = i
   break;
  }
 }
  return lastRow
}

使い方としては
function mySample7() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet()
  var tannka,suuryou,lastRow
  lastRow = getLastRow(sheet,1)
  for (var i=2; i<=lastRow; i++) {
    tannka = sheet.getRange(i, 2).getValue()
    suuryou = sheet.getRange(i, 3).getValue()
    sheet.getRange(i, 4).setValue(tannka * suuryou) 
  }
}




同じテーマ「Google Apps Script入門」の記事

第30回.並べ替え

GoogleAppsScriptで、スプレッドシートを並べ替えます、書き方のバリエーションがいろいろありますが、並べ替えキー列、昇順・降順、これらをどのように指定するかだけの違いになります。書き方のバリエーションごとに順に見ていきましょう。
第31回.入力規則
GoogleAppsScriptで、スプレッドシートに入力規則を設定します、入力規則は機能がとても多く、それにメ対応したソッドも多数あります。ここでは、メソッドの一覧と、代表的な使い方を参考スクリプトを掲載します。入力規則の作成方法の概要 クラスSpreadsheetAppのメソッドnewDataValidatio…
第32回.グラフ
GoogleAppsScriptで、スプレッドシートにグラフを挿入します。スクリプトであまり凝ったレイアウトのグラフを作成しようとすると、結構大変になりますので、そのような場合は、手動で作成したグラフをスクリプトで変更する等の工夫も必要です。
第33回.表示の固定
GoogleAppsScriptで、シートの表示(スクロール)の固定を設定します。表とは一般に、横に項目、縦にデータが連続して入っているものです、スクロールした場合に、見出しが見えなくなってしまう事のないように設定しておきます。表示(スクロール)の固定に関するメソッド Sheetのメソッドを使います。
第34回.シート保護
GoogleAppsScriptで、スプレッドシートを保護します、スプレッドシートの保護に関しては、少々面倒なスクリプトだと感じます。ここでは理屈抜きでサンプルコードの提示に徹します。保護する場合の実際のスクリプトのサンプルを見ていきましよう。
第35回.スプレッドシートが非常に遅い、高速化するには
GoogleAppsScriptで、スプレッドシートのセルを扱うと、とても処理時間がかかります、あまりにも遅く、目で動作がゆっくり見えるレベルです、データ量が多くなっても、実用に耐える速度で処理する方法を解説します。スプレッドシートに比べればExcelはかなり速いですが、VBAの書き方によっては処理時間がかかってし…
第36回.フォルダとファイルを扱う(DriveApp)
GoogleAppsScriptで、Googleドライブのファイルやフォルダを扱う場合は、DriveAppクラスを使います。DriveAppクラスの各種メソッドの戻り値(FolderクラスやFileクラス)のメソッドを使って各種操作を行います。
第37回.フォルダの一覧取得・作成・削除(Folder)
GoogleAppsScriptで、フォルダ内のサブフォルダ一覧を取得したり、フォルダ内にサブフォルダを作ったり削除したりするスクリプトの書き方を解説します。使用するクラスは、DriveApp Folder File FolderIterator FileIterator これらのメソッドを使います。
第38回.ファイルの一覧取得・削除(File)
GoogleAppsScriptで、フォルダ内のファイル一覧を取得したり、フォルダ内にファイルを作ったり削除したりするスクリプトの書き方を解説します。使用するクラスは、DriveApp Folder File FolderIterator FileIterator これらのメソッドを使います。
Excel流の最終行の取得
Twitter Bot 作成
GoogleAppsScriptで、TwitterのBotを作成します、全て作成していたら大変ですし、今の段階では私にその技量はありませんので、ネットに公開されているものを参考に作成しました。従って、ここでは手順の紹介がメインで、コード等はリンク先を参照してください。


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

TRIMRANGE関数(セル範囲をトリム:端の空白セルを除外)|エクセル入門(2024-08-30)
正規表現関数(REGEXTEST,REGEXREPLACE,REGEXEXTRACT)|エクセル入門(2024-07-02)
エクセルが起動しない、Excelが立ち上がらない|エクセル雑感(2024-04-11)
ブール型(Boolean)のis変数・フラグについて|VBA技術解説(2024-04-05)
テキストの内容によって図形を削除する|VBA技術解説(2024-04-02)
ExcelマクロVBA入門目次|エクセルの神髄(2024-03-20)
VBA10大躓きポイント(初心者が躓きやすいポイント)|VBA技術解説(2024-03-05)
テンキーのスクリーンキーボード作成|ユーザーフォーム入門(2024-02-26)
無効な前方参照か、コンパイルされていない種類への参照です。|エクセル雑感(2024-02-17)
初級脱出10問パック|VBA練習問題(2024-01-24)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
3.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
4.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
5.RangeとCellsの使い方|VBA入門
6.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
7.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
8.メッセージボックス(MsgBox関数)|VBA入門
9.条件分岐(Select Case)|VBA入門
10.マクロとは?VBAとは?VBAでできること|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。


このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ