第35回.スプレッドシートが非常に遅い、高速化するには
Google Apps Script で、スプレッドシートのセルを扱うと、とても処理時間がかかります、
Excelでの処理速度対策は、
マクロVBAの高速化・速度対策の具体的手順と検証
最終的には、配列を使用することになります。
処理速度を速くしたいのなら、配列を使う事になります。
配列を使用することで、セルへのデータ読み書き回数を減らします。
getRange
getValue
setValue
これらの回数を減らすという事です。
金額(D列) = 単価(B列) * 数量(C列)
この計算を行います。
function mySample35_1() {
var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet();
var tannka,suuryou
var lastRow = sheet.getLastRow();
for (i=2; i<=lastRow; i++) {
tannka = sheet.getRange(i, 2).getValue();
suuryou = sheet.getRange(i, 3).getValue();
sheet.getRange(i, 4).setValue(tannka * suuryou) ;
}
}
概ね、
15秒~17秒程度の時間がかかります。
Excelなら一瞬で終わる処理ですね。
配列を使って書くと
function mySample35_2() {
var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet();
var tannka,suuryou
var lastRow = sheet.getLastRow();
var ary1 = sheet.getRange(2, 2, lastRow-1, 3).getValues();
for (i=0; i<=ary1.length-1; i++) {
ary1[i][2] = ary1[i][0] * ary1[i][1]
}
sheet.getRange(2, 2, lastRow-1, 3).setValues(ary1);
}
概ね、
0.12秒~0.14秒程度の時間で終わります。
なんと、100倍の違いです。
ほぼセルへのデータ読み書きだけの処理なので、極端に違いが出ていることは承知してください。
配列の解説
これで、セル範囲を配列に入れています。
getValue
ではなく、
getValues
を使う事で、セル範囲を一括で配列化する事が出来ます。
は、2次元配列になります。
ary1[0]:[296,16,] ・・・ B2~D2
ary1[1]:[926,8,] ・・・ B3~D3
つまり、
ary1[0][0]:296 ・・・ B2
ary1[0][1]:16 ・・・ C2
ary1[0][2]: ・・・ D2
ary1[1][0]:926 ・・・ B3
ary1[1][1]:8 ・・・C3
ary1[1][2]: ・・・D3
配列の処理
注意点としては、
ary1.length
これは、配列の要素数になります。
配列は、0から始まります。
10個の配列なら、
0,1,2,3,4,5,6,7,8,9
となります。
この場合、lengthは10となりますので、
forでは、0からlength-1までループするようにします。
ary1[0].length
これで取得できます、今回の場合は3となります。
配列をセル範囲へ
setValue
ではなく、
setValues
を使う事で、配列をセル範囲に一括で入れる事が出来ます。
スプレッドシートが数百行以上になり、その全行を処理するようなスクリプトを書く場合は、
必ず今回の配列を使うようにして下さい。
あまりにもGASでのセル操作は遅すぎます。
そんなに急いだ処理ではないとしても、物事には限度というものがあります。
配列を使わない場合の速度は、さすがに限度を超えた遅さだと思います。
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