VBA練習問題
VBA100本ノック 61本目:「ふりがな」の取得と設定

VBAを100本の練習問題で鍛えます
公開日:2021-01-06 最終更新日:2021-03-22

VBA100本ノック 61本目:「ふりがな」の取得と設定


「ふりがな」の取得と「ふりがな」を設定する問題です。


ツイッター連動企画です。
ツイートでの見やすさを考慮して、ブック・シート指定等を適宜省略しています。

VBAテスト用のサンプルデータは、VBA100本ノックの目次ページ からもダウンロードできます。
マクロVBAを初心者向けの基本から上級者向けの高度な内容までサンプルコードを掲載し解説しています。エクセル関数・機能・基本操作の入門解説からマクロVBAまでエクセル全般を網羅しています。


出題

出題ツイートへのリンク

#VBA100本ノック 61本目
A列の名称には「ふりがな」が正しく入っていません。
「マスタ」シートのA列には「ふりがな」が正しく設定されているので、ここから「ふりがな」を取得しA列に「ふりがな」を設定してください。
マスタなしは赤文字にしてください。(既定の文字色は自動)
※シートは任意

マクロ VBA 100本ノック

マクロ VBA 100本ノック


サンプルファイルです。
https://excel-ubara.com/vba100sample/VBA100_61.xlsm
https://excel-ubara.com/vba100sample/VBA100_61.zip


VBA作成タイム

この下に頂いた回答へのリンクと解説を掲載しています。
途中まででも良いので、できるだけ自分でVBAを書いてみましょう。


他の人の回答および解説を見て、書いたVBAを見直してみましょう。


頂いた回答

解説

「マスタ」の行を特定するにはシート関数のMatchを使うのが簡単だと思います。
ただし、存在しない場合のエラー対策が必要です。
「ふりがな」の設定は、簡単な方法としてRangeのPhoneticオブジェクトのTextで設定してみます。
この場合は、「カナ」や「かな」にも「ふりがな」が設定されます。

Sub VBA100_61_01()
  Dim ws As Worksheet, mst As Range
  Set ws = Worksheets("data")
  Set mst = Worksheets("マスタ").Columns(1)
  
  Application.ScreenUpdating = False
  On Error Resume Next
  ws.Columns(1).Font.Color = False
  
  Dim i As Long, ix As Long
  For i = 2 To ws.Cells(ws.Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
    ws.Cells(i, 1).Phonetic.Visible = True
    ix = 0
    ix = WorksheetFunction.Match(ws.Cells(i, 1), mst, 0)
    If ix = 0 Then
      ws.Cells(i, 1).Font.Color = vbRed
    Else
      ws.Cells(i, 1).Phonetic.Text = mst.Cells(ix).Phonetic.Text
    End If
  Next
End Sub

マクロ VBA 100本ノック


「マスタ」と全く同じように「ふりがな」を設定するには、Phoneticsオブジェクトを操作します。
または、「2本目:セルのコピー」で解説したようにPasteSpecialのxlPasteValuesでコピーする方法もあります。
・出題 ・頂いた回答 ・解説 ・補足 ・サイト内関連ページ
これらについては記事補足に掲載しました。


補足

Phoneticsオブジェクト
「ふりがな」は、RangeオブジェクトのPhoneticsオブジェクトに入っています。

Office VBA Reference の Phonetics object
ここでは、「Phoneticオブジェクトのコレクション」との説明になっていますが、少々正確ではないようです。
Phoneticsコレクションに入っているのはPhoneticsオブジェクトになっています。

「RangeオブジェクトのPhoneticプロパティは、Microsoft Excel の以前のバージョンとの互換性を提供します。」
という事のようです。

「ふりがな」は、いくつかに分割されています。
IMEで変換単位にオブジェクトが分かれています。

IMEでの入力単位の「ふりがな」がPhoneticsオブジェクトに入っていて、そのコレクションもPhoneticsになります。
「ニホン」 → Phonetics(1) ・・・ Phoneticsオブジェクト
「カブシキガイシャ」 → Phonetics(2) ・・・ Phoneticsオブジェクト
Phonetics(1)とPhonetics(2)が入っているコレクションもPhoneticsです。

Sub VBA100_61_02()
  Dim rngMst As Range
  Set rngMst = Worksheets("マスタ").Columns(1)
  
  Dim rngIn As Range
  Set rngIn = Worksheets("data").Range("A1").CurrentRegion.Resize(, 1)
  Set rngIn = Intersect(rngIn, rngIn.Offset(1))
  rngIn.Font.ColorIndex = xlAutomatic
  rngIn.Phonetic.Visible = True
  
  Application.ScreenUpdating = False
  On Error Resume Next
  
  Dim rng As Range, ph As Phonetics, ix As Long
  For Each rng In rngIn
    Err.Clear
    ix = WorksheetFunction.Match(rng, rngMst, 0)
    If Err Then
      rng.Font.Color = vbRed
    Else
      rng.Phonetics.Delete
      For Each ph In rngMst.Cells(ix).Phonetics
        rng.Phonetics.Add ph.Start, ph.Length, ph.Text
      Next
    End If
  Next
End Sub


PasteSpecialのxlPasteValues
2本目:セルのコピー」ここで解説したようにPasteSpecialのxlPasteValuesでコピーすると「ふりがな」もコピーされます。
・出題 ・頂いた回答 ・解説 ・補足 ・サイト内関連ページ

Sub VBA100_61_03()
  Dim ws As Worksheet, mst As Range
  Set ws = Worksheets("data")
  Set mst = Worksheets("マスタ").Columns(1)
  
  Application.ScreenUpdating = False
  On Error Resume Next
  ws.Columns(1).Font.Color = False
  
  Dim i As Long, ix As Long
  For i = 2 To ws.Cells(ws.Rows.Count, 1).End(xlUp).Row
    ix = 0
    ix = WorksheetFunction.Match(ws.Cells(i, 1), mst, 0)
    If ix = 0 Then
      ws.Cells(i, 1).Font.Color = vbRed
    Else
      mst.Cells(ix).Copy
      ws.Cells(i, 1).PasteSpecial Paste:=xlPasteValues
    End If
  Next
  
  Application.CutCopyMode = False
End Sub


サイト内関連ページ

今回の出題を考えた時、実はこれらについては解説ページが無い事に気づきました。
かろうじて関連として以下のページがあるだけでした。

第104回.GetPhoneticメソッドとSetPhoneticメソッド(フリガナ)|VBA入門
・GetPhoneticメソッド ・GetPhoneticメソッドの使用例 ・SetPhoneticメソッド ・SetPhoneticメソッドの使用例
ユーザー定義関数でフリガナを取得する(GetPhonetic)|VBAサンプル
ワークシート関数の、「PHONETIC」では、他のソフト等からコピペした漢字は取得できません。そこで、VBAでユーザー定義関数を作成し、読みを取得できるようにします。A列はメモ帳よりコピペしました。B列に、ユーザー定義関数を指定して、振り仮名を取得しています。
PHONETIC関数(文字列からふりがなを抽出)|エクセル入門
・PHONETIC関数の書式 ・範囲 ・PHONETIC関数の使用例 ・PHONETIC関数の応用例




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