数式の参照しているセルを取得する
セルに入っている数式の参照しているセルを取得するには、
セルが直接または間接に参照している参照元を表すRangeオブジェクトを返します
A1セルに=B1と入っている場合に、A1セルのPrecedentsでB1セルを取得できます。
セルを直接または間接に参照している参照先Rangeオブジェクトを返します
A1セルに=B1と入っている場合に、B1セルのDependentsでA1セルを取得できます。
そこで、以下のサンプルコードでは、
指定のセルの数式が参照している(参照元)セルを配列で返します。
Function getFormulaRange(ByVal argRange As Range) As Range()
Dim sFormula As String
Dim aryRange() As Range
Dim tRange As Range
Dim ix As Long
Dim i As Long
Dim flgS As Boolean 'シングルクオートが奇数の時True
Dim flgD As Boolean 'ダブルクオートが奇数の時True
Dim sSplit() As String
Dim sTemp As String
'=以降の計算式
sFormula = Mid(argRange.FormulaLocal, 2)
'計算式の中の改行や余分な空白を除去
sFormula = Replace(sFormula, vbCrLf, "")
sFormula = Replace(sFormula, vbLf, "")
sFormula = Trim(sFormula)
flgS = False
flgD = False
For i = 1 To Len(sFormula)
'シングル・ダブルのTrue,Falseを反転
Select Case Mid(sFormula, i, 1)
Case "'"
flgS = Not flgS
Case """"
'シングルの中ならシート名
If Not flgS Then
flgD = Not flgD
End If
End Select
Select Case Mid(sFormula, i, 1)
'各種演算子の判定
Case "+", "-", "*", "/", "^", ">", "<", "=", "(", ")", "&", ",", " "
Select Case True
Case flgS
'シングルの中ならシート名
sTemp = sTemp & Mid(sFormula, i, 1)
Case flgD
'ダブルの中なら無視
Case Else
'各種演算子をvbLfに置換
sTemp = sTemp & vbLf
End Select
Case Else
'ダブルの中なら無視、ただしシングルの中はシート名
If Not flgD Or flgS Then
sTemp = sTemp & Mid(sFormula, i, 1)
End If
End Select
Next
On Error Resume Next
'vbLfで区切って配列化
sSplit = Split(sTemp, vbLf)
ix = 0
For i = 0 To UBound(sSplit)
If sSplit(i) <> "" Then
Err.Clear
'Application.Evaluateメソッドを使ってRangeに変換
If InStr(sSplit(i), "!") > 0 Then
Set tRange = Evaluate(Trim(sSplit(i)))
Else
'シート名を含まない場合は、元セルのシート名を付加
Set tRange = Evaluate("'" & argRange.Parent.Name & "'!" & Trim(sSplit(i)))
End If
'Rangeオブジェクト化が成功すれば配列へ入れる
If Err.Number = 0 Then
ReDim Preserve aryRange(ix)
Set aryRange(ix) = tRange
ix = ix + 1
End If
End If
Next
On Error GoTo 0
getFormulaRange = aryRange
End Function
使い方としては、以下のようになります。
Sub sample()
Dim aryRange() As Range
Dim var As Variant
aryRange = getFormulaRange(Range("A1"))
For Each var In aryRange
Debug.Print var.Address(External:=True)
Next
End Sub
イミディエイト ウインドウに、参照しているセルのアドレスが表示されます。
A1=TRIM(B$1&'S&h"e ''et2'!$A1)*Sheet1!$C$1+SUM('S&h"e
''et2'!A1:C1,B1)
この場合は、イミディエイト ウインドウには、
[ブック名]Sheet1!$B$1
'[ブック名]S&h"e ''et2'!$A$1
[ブック名]Sheet1!$C$1
'[ブック名]S&h"e ''et2'!$A$1:$C$1
[ブック名]Sheet1!$B$1
このように表示されます。
For Each var In aryRange
この中で、
var.ParentとRange("A1").Parentが同じであれば同じシート内なので、
PrecedentsやDependentsで取得済と判定すれば良いでしょう。
いざ必要となった時に、VBAを最初から書くのは大変なので、そのような場合に思い出してください。
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