LAMBDA以降の新関数はVBAで使えるか
タイトルを見て期待してこられた方には申し訳ありませんが、
残念ながら、LAMBDA以降に実装された新関数はWorksheetFunctionには入っていません。
※2022/11/11現在の365:今後実装される可能性も少ないとは思いますが全くないとも言えません。
ただしLAMBDAとヘルパー関数は、そもそもVBAで使う意味がないので、その他の新関数からいくつかをピックアップして解説します。
TEXTSPLIT関数
Sub sampl_TEXTSPLIT1()
Dim strIn, strEval, v
strIn = "Excel,エクセル;Word,ワード;Access,アクセス"
strEval = "TEXTSPLIT(""" & strIn & ""","","","";"")"
v = Evaluate(strEval)
Stop
End Sub
Evaluateで実行する文字列作成で"ダブルクォーテーションが面倒です。

=TEXTSPLIT("Excel,エクセル;Word,ワード;Access,アクセス",",",";")=TEXTSPLIT(""Excel,エクセル;Word,ワード;Access,アクセス"","","","";"")
strEval = "=TEXTSPLIT('" & strIn & "',',',';')"
strEval = Replace(strEval, "'", """")
実行すると、変数Vに2次元配列が作成されていることが分かります。

Sub sampl_TEXTSPLIT2()
Dim strIn, strEval, v
strIn = "Excel,エクセル;Word,ワード;Access,アクセス"
strEval = "TEXTSPLIT(""" & strIn & """,{"","","";""})"
v = Evaluate(strEval)
Stop
End Sub

対象は文字列なので、単純にEvaluateの引数に&で入れることができます。
もし上記のような分割が必要になった場合は、利用する価値は十分にあると思います。
TEXTBEFORE関数,TEXTAFTER関数
Sub sampl_TEXTAFTER()
Dim strIn, strEval, v
strIn = "Office製品には:エクセル、ワード、パワポがあります。"
strEval = "TEXTAFTER(""" & strIn & ""","":"")"
v = Evaluate(strEval)
Stop
End Sub

とはいえ、VBAでも簡単にできてしまいます。
v = Mid(strIn, InStr(strIn, ":") + 1)
むしろこちらの方が簡単なので、TEXTAFTER関数をVBAで使用するメリットはあまり無いと思われます。
TEXTBEFORE関数も同様です。
TOROW関数,TOCOL関数
Sub sampl_TOROW_TOCOL()
Dim strIn, strEval, v1, v2
strIn = "Office製品には(エクセル)(ワード)そして(パワポ)があります。"
strEval = "TOROW(TEXTBEFORE(TEXTSPLIT(""" & strIn & """,{""("",""(""}),{"")"","")""}),3)"
v1 = Evaluate(strEval)
strEval = "TOCOL(TEXTBEFORE(TEXTSPLIT(""" & strIn & """,{""("",""(""}),{"")"","")""}),3)"
v2 = Evaluate(strEval)
Stop
End Sub

TOROW関数,TOCOL関数自体は普通に使えるのですが、
そもそもEvaluteに配列を入れる手段がありません。
したがって、Evaluateの数式で配列を作成したものに対してしか使い道がありません。
さすがに実用的な使い方は思いつきませんでした。
WRAPROWS関数,WRAPCOLS関数
Sub sample_WRAPROWS()
Dim strIn, strEval, v
strIn = Evaluate("SEQUENCE(10)")
strIn = WorksheetFunction.Transpose(strIn)
strIn = Join(strIn, Chr(1))
strEval = "WRAPROWS(TEXTSPLIT(""" & strIn &
""",""" & Chr(1) & """),3,"""")"
v = Evaluate(strEval)
Stop
End Sub

この文字列をEvaluateの中でTEXTSPLITで配列に戻してからWRAPROWSを使用しています。
さすがにこれならVBAで普通に配列操作したほうが良さそうに思われます。
試しに使って見たという程度になります。
WRAPCOLS関数も同様です。
VSTACK関数,HSTACK関数
同一ブック内にあるテーブル2つをVSTACKで縦につなげて、アクティブシートのA1以降に出力しています。

Sub sample_VSTACK()
Dim v
v = Evaluate("VSTACK(テーブル1[#ALL],テーブル2)")
Range("A1").Resize(UBound(v, 1), UBound(v, 2)).Value = v
End Sub
途中の変数vには2次元配列で入ります。
上記のVBAでは、セル出力を意識してテーブル1は見出しも含めましたが、VBA内で配列を処理するならない方が良いでしょう。
ただし数式なので、事前にテーブル名が分かっている場合にしか使えません。
もちろんVBAでテーブル名を取得して埋め込んでも良いですが、それなら全てVBAの方が良いと思います。
かつ、VBA内でテーブル名を固定してしまうので、テーブル名の変更時はVBAも変更する必要があります。
先々新関数が広まった時には、VBAでも使用する場面はあるかもしれません。
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