VBA技術解説
VBAで写真の撮影日時や音楽動画の長さを取得する

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
公開日:2020-01-23 最終更新日:2020-01-23

VBAで写真の撮影日時や音楽動画の長さを取得する


写真の撮影日時、音楽や動画の再生時間、これらをVBAで取得します。


写真や音楽、動画をフォルダにまとめて入れている人は多いのではないでしょうか。
しかし、なかなかちゃんと管理できていなかったりしませんか。
私がそうなんですけど・・・

エクセルでこれらのファイル一覧を作成するときに役立つように、
VBAでより詳しい情報を取得する方法について説明します

VBAで写真の撮影日時を取得

Sub PrintExtendedProperty()
  Dim sPath As String
  sPath = ThisWorkbook.Path & "\Camera\"
  
  Dim sh As New Shell32.Shell
  Dim shFolder As Folder3
  Dim shFile As FolderItem
  Set shFolder = sh.Namespace(sPath)
  
  Dim fso As New FileSystemObject
  Dim fsoFile As File
  For Each fsoFile In fso.GetFolder(sPath).Files
    Set shFile = shFolder.ParseName(fsoFile.Name)
    Debug.Print shFile.Name
    Debug.Print shFile.ExtendedProperty("System.Photo.DateTaken")
    Debug.Print shFile.ExtendedProperty("System.Photo.CameraModel")
  Next
End Sub

参照設定

VBA マクロ 撮影日時

Microsoft Shell Controls And Automation
Microsoft Scripting

Shell.ApplicationとFileSystemObjectです。
参照設定しない場合の記述については、この後で掲載しています。

Shell.Namespaceメソッド

指定されたフォルダーのFolderオブジェクトを作成して返します。

Folder.ParseNameメソッド

FolderItemオブジェクトを作成して返します。

このVBAを実行すると、イミディエイト ウインドウに、
ファイル名、撮影日時、モデルが出力されます。

撮影日時だけならこれで構いませんが、他の情報も欲しいとなったら・・・
問題は、
shFile.ExtendedProperty("System.Photo.DateTaken")
この引数の文字列の部分です。
対応するこの文字列を調べるのが大変です。
WEBで少々調べましたが、都合の良い一覧は見つかりませんでした。
見つかったとしても、使うたびに一覧を見なければなりません。
もう少し汎用的に使える方法が欲しいところです。

全てのプロパティを取得するVBA

GetDetailsOfを使い、インデックスで取得します。

Function getExtendedProperty(ByVal aFilePath As String) As Variant()
  Dim rtnAry() As Variant
  ReDim rtnAry(500, 1)
  
  Dim fso As Object
  Set fso = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
  
  Dim sh As Object
  Set sh = CreateObject("Shell.Application")
  Dim shFolder As Object
  Dim shFile As Object
  Set shFolder = sh.Namespace(fso.GetParentFolderName(aFilePath))

  Dim i As Long
  Set shFile = shFolder.ParseName(fso.GetFileName(aFilePath))
  '以下でも良い
  'Set shFile = shFolder.Items.Item(fso.GetFileName(aFilePath))
  For i = 0 To 500
    rtnAry(i, 0) = shFolder.GetDetailsOf(Nothing, i)
    rtnAry(i, 1) = shFolder.GetDetailsOf(shFile, i)
  Next
  getExtendedProperty = rtnAry
End Function

汎用的に使えるように、遅延バインディングにしています。
・バインディングとは ・事前バインディング ・遅延バインディング(実行時バインディング) ・実装(VBA記述)の違い ・事前バインディングの利点

Folder.GetDetailsOfメソッド

フォルダー内のアイテムに関する詳細を取得します。
取得する情報を指定する整数値を引数に指定します。

2次元配列を返す関数Functionです。
手元のWindows10での確認では、プロパティは321まで使われていました。
これはOS等の環境によって変わってくるはずです。
上記VBAでは、サンプルとして無条件で500までの配列で返しています。
簡単に実行できますので、実際に試してみてください。

全てのプロパティを取得するVBAの使用例

Sub sample()
  Dim rtnAry() As Variant
  rtnAry = getExtendedProperty("ファイルのフルパス\ファイル名")
  With ActiveSheet
    .Cells.Clear
    .Range("A1").Resize(UBound(rtnAry, 1) + 1, UBound(rtnAry, 2) + 1) = rtnAry
  End With
End Sub

A列にプロパティ名、B列にプロパティ値が出力されます。

写真の撮影日時

VBA マクロ 撮影日時

Androidスマホで撮影した写真です。

音楽・動画の長さ

VBA マクロ 撮影日時

これはスマホに入っていた、ある歌手のMVのmp4です。
再生時間は4分34秒です。

VBAで撮影日時や音楽動画の長さ取得の最後に

ファイルのプロパティには実に多くの情報が入っています。
もちろん、保存されている情報は撮影する機器によって変わってきます。
露出や絞り等々、カメラが対応していればこれらの情報がいろいろと入っていますので、アルバム整理等に役立つと思います。
筆者はあまりこの辺りの事は詳しくありませんので、あくまでVBAの紹介だけをしました。



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