マクロ記録でVBA
計算結果を入れる

Excelマクロの自動記録を使って、エクセルVBAの初心者向け入門解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2013-02-18

第10回.計算結果を入れる


前回作成した100マス計算の回答部分を、マクロで計算して入れてみましょう。


従って、マクロの記録は使いません。


タイトルと違うね(笑)、でもね、マクロの記録では出来ない事が多いのです。


だから、VBAを覚える必要があるのです。



では、プログラムを提示してから解説しましょう。


元のプログラムは、前回作成した、「.COPY」を使わずに値のコピーをするプログラムです。


Sub Macro1()
  Dim i
  Dim j
  i = 2
  Do While i <= 11
    j = 2
    Do While j <= 11
    Cells(i, j) = Cells(i, 1) * Cells(1, j)
    j = j + 1
    Loop
    i = i + 1
  Loop
End Sub


太字の部分のみ変更しています。


計算結果を入れるセルが、

Cells(i, j)


ここには、同行の1列目のセル同列の1行目のセル掛け算を入れる訳です。


これが、Cells(i, 1) * Cells(1, j)

になります。


Cells(i, 1)は、i行1列目のセル


Cells(1, j)は、1行j列目のセル

これで、一瞬で100マスに計算結果が埋められます。


100マスの計算結果を消してから実行してみて下さい。





四則演算の演算子は、ワークシートと同様です。


+:足し算

-:引き算

*:掛け算

/:割り算


また、計算順序もワークシートと同様です。


*/が先に計算され、次に+-となります。


しかし、計算順序は、()で必ず明記するようにしましょう。





計算をワークシート上で行い、その結果の値を取り出して、再度セルに入れる方法もあります。


第8回と、第9回で作成したマクロの組み合わせになります。


Sub Macro2()

  Range("B2:K11").FormulaR1C1 = "=RC1*R1C"
  Sheets("Sheet1").Range("B2:K11").Copy
  Sheets("Sheet2").Range("B2").PasteSpecial _
    Paste:=xlPasteValues, Operation:=xlNone, SkipBlanks:=False, Transpose:=False

End Sub



この解説は既にしましたね。


Range("B2:K11").FormulaR1C1 = "=RC1*R1C"
絶対参照と相対参照の組み合わせです。

RC1は、同じ行の、1列目のセル

R1Cは、1行目の、同じ列


Sheets("Sheet1").Range("B2:K11").Copy
これで、セル範囲をクリップボードにコピーします。


Sheets("Sheet2").Range("B2").PasteSpecial _
    Paste:=xlPasteValues, Operation:=xlNone, SkipBlanks:=False,

値の貼り付けです。



では、2重ループを使って、セルを1つずつ処理してみましょう。


Sub Macro3()
  Dim i
  Dim j
  i = 2
  Do While i <= 11
    j = 2
    Do While j <= 11
    Cells(i, j).FormulaR1C1 = "=RC1*R1C"
    Cells(i, j).Value = Cells(i, j).Value
    j = j + 1
    Loop
    i = i + 1
  Loop
End Sub


注意点は、太字の部分だけです。


Cells(i, j).FormulaR1C1 = "=RC1*R1C"
これで、計算式をセルに入れています。

入れた直後に、ワークシートで再計算されます。


Cells(i, j).Value = Cells(i, j).Value
これで、値を取り出し、同じセルに入れ直しています。


Cells(i, j).FormulaR1C1 = "=RC1*R1C"
この直後、

Cells(i, j).FormulaR1C1には、"=RC1*R1C"が入っており、

Cells(i, j).Valueには、その計算結果が入っています。

そして、Valueに値を入れた時点で、FormulaR1C1も計算式ではなく、数値が入ることになります。



上のような、マクロの途中で、その内容(セルや変数)を確認したい場合は、


VBE(Visual Basic Editor)のイミディエイトを使います。


その方法については、次回に説明します。





同じテーマ「マクロの記録でVBA」の記事

第7回.別のシートにコピーする2

前回は、値の貼り付けを「マクロの記録」で行い、そのマクロを修正しました。以下になります。今回は、同じ事を「.COPY」を使わずにやってみましょう。そもそも、これは何をしているかと言うと、「.COPY」で、セルをクリップボードに入れ、クリップボードの値のみセルに入れています。
第8回.計算式を入れる
前回までは、セルに文字を入れました。エクセルは表計算ソフトですから、計算式を入れたいですよね。今回からは、計算式を入れる方法、その値をコピーする方法等の説明になります。では、以下のようなシートを作成して下さい。
第9回.計算式をコピーする
前回作成した100マス計算を、別シートにコピーしてみましょう。第6回、第7回の内容とほぼ同様になります。エクセルVBAでは、このシート間のデータコピーが最もよく行われる事の1つであり、VBAの基本でもあります。
第10回.計算結果を入れる
第11回.イミディエイトで値の確認
前回、FormulaR1C1とValueの違いを説明しましたが、それを確認するための方法を紹介します。これはデバックで使用するツールになります。デバッグとは、プログラムの誤り(バグと呼ばれる)を探し、取り除くこと。
第12回.セルに色を塗る
今回はちょっと難しいことをします。100マス計算に手入力で回答を入れて、その結果の成否を判定してみましょう。100マスの計算結果を一旦全て消して下さい。手入力で、回答を入れて下さい。掛け算九九は大丈夫ですか(笑) 全部入れなくて良いです。
第13回.罫線を引く
前回までで、文字、数値を入れ、色も塗りました。この辺で、罫線の引き方をやりましょう。100マス計算の罫線を、一度全て消してください。ではマクロの記録です。1.マクロの記録 2.A1~K11を選択 3.罫線の格子(外側、内側を細線) 4.記録終了 作成されたマクロは、驚くほどの長さですね、少し笑えます。
第14回.行列を入れ替えて貼り付け
はい、今回は、「形式を選択して貼り付け」の「行列を入れ替える」をやってみましょう。Sheet1の100マスを、Sheet2へ、行列を入れ替えて貼り付けします。ではマクロの記録です、Sheet2を選択している状態からです。
第15回.いろいろな消去
セルの値や書式等を消去してみましょう、では、マクロの記録です、1.マクロの記録 2.A1~K11を選択…範囲は適当で良いです。3.「Delete」4.罫線で、枠なし 5.塗りつぶしで、塗りつぶしなし 6.フォントの色で、自動 7.セルの書式設定で、標準 8.記録終了 作成れたマクロは、Selection.Clear…
第16回.行の挿入・削除
行の挿入と、行の削除をやってみましょう、では、マクロの記録です。1.マクロの記録 2.1行目を選択 3.「挿入」…Ctrl+Shift++ 4.A列を選択 5.「挿入」…Ctrl+Shift++ 6.1行目を選択 7.「削除」…Ctrl+Shift+- 8.A列を選択 9.「削除」…Ctrl+Shift+- 10.…
第17回.並べ替え
エクセルでは避けて通れない、「並べ替え」をやります。実は、あまりやりたくないのですが… いや、2003と2007以降で、全く変わってしまったのです。1行目がタイトル、2~11行にデータが入っているとします。


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