第9回.計算式をコピーする
前回作成した100マス計算を、別シートにコピーしてみましょう。
第6回、第7回の内容とほぼ同様になります。
エクセルVBAでは、このシート間のデータコピーが最もよく行われる事の1つであり、
VBAの基本でもあります。
今回は、確認を含めて、さらに1歩進んだ説明をします。
では、さっそく「マクロの記録」からです。
Sheet1全セルをSheet2にコピーします。
最初は、Sheet2が選択された状態から、
1.マクロの記録
2.Sheet1を選択
3.全セルを選択
4.コピー
5.「Sheet2」を選択
6.セルA1を選択
7.貼り付け
8.記録終了
作成されたマクロです。
Sub Macro1()
'
' Macro1 Macro
'
'
Sheets("Sheet1").Select
Cells.Select
Selection.Copy
Sheets("Sheet2").Select
Range("A1").Select
ActiveSheet.Paste
Range("B2").Select
End
Sub
恒例の消しこみです。
Sub Macro1()
Sheets("Sheet1").Cells.Copy
Sheets("Sheet2").Select
Range("A1").Select
ActiveSheet.Paste
End
Sub
ここまでは良いですね。
全セルの指定が、Cellsである事くらいでしょうか。
この場合は、Rangeではないのです、Cellsで、()の指定をしません。
この結果は、Sheet1とSheet2は同じ内容になります。
では、計算式はコピーせずに、計算結果のみコピーするには、どうすれば良いでしょうか。
そうですね、値のコピーをすれば良いです。
でも、書式はコピーしたいので、計算式が入っている部分のみ値をコピーしましょう。
これは、マクロの記録をしなくても、良いですね。
第6回で既に作成したマクロの、コピー範囲だけ直せば完成します。
Sub
Macro2()
Sheets("Sheet1").Range("B2:K11").Copy
Sheets("Sheet2").Range("B2").PasteSpecial
_
Paste:=xlPasteValues, Operation:=xlNone, SkipBlanks:=False,
Transpose:=False
End Sub
太字の部分が、前回作成したマクロとの違いです。
Rangeの範囲だけの違いです。
以上の2つのマクロを実行すると、書式が全て同じで、
計算式の入っているセルのみ、直接値の入ったシートが作成されました。
では、この値のコピーを、「.COPY」を使わずにコピーしてみましょう。
これも既に、作成済みのマクロの、セル範囲の変更になります。
Sub Macro4()
Dim i
Dim j
i = 2
Do While
i <= 11
j = 2
Do While j
<= 11
Sheets("Sheet2").Cells(i,
j).Value = Sheets("Sheet1").Cells(i,
j).Value
j = j + 1
Loop
i = i +
1
Loop
End Sub
太字の部分に注意して下さい。
以前は、1~10のループでしたが、
今回は、2~11のループになっています。
1~10のループで記述すれば、
Sub Macro4()
Dim i
Dim j
i = 1
Do While i <= 10
j =
1
Do While j <= 10
Sheets("Sheet2").Cells(i + 1, j + 1).Value =
Sheets("Sheet1").Cells(i + 1, j + 1).Value
j = j +
1
Loop
i = i + 1
Loop
End
Sub
太字の部分の違いになります。
この2つは、どちらでも、好みで使い分ければ良いでしょう。
ループする回数を基準に考えるか、セルの行列位置を基準に考えるかの違いです。
では、さらに、「.COPY」を使わずに、計算式をコピーする場合は、どうしたら良いでしょう。
計算式をR1C1形式で入れる場合は、
FormulaR1C1
を使用することを説明しました。
Value
の代わりに、これを指定すれば良いのです。
Sheets("Sheet2").Cells(i, j).FormulaR1C1 =
Sheets("Sheet1").Cells(i, j).FormulaR1C1
これで、計算式がコピーされます。
実際にマクロを実行して、動作を確認して下さい。
セルのコピー、値のコピーは覚えられたでしょうか。
これが出来ないと、VBAが始まりませんので、しっかり覚えて下さい。
次回は、VBAで計算した結果を、セルに入れてみましょう。
同じテーマ「マクロの記録でVBA」の記事
第6回.別のシートにコピーする
第7回.別のシートにコピーする2
第8回.計算式を入れる
第9回.計算式をコピーする
第10回.計算結果を入れる
第11回.イミディエイトで値の確認
第12回.セルに色を塗る
第13回.罫線を引く
第14回.行列を入れ替えて貼り付け
第15回.いろいろな消去
第16回.行の挿入・削除
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