第7回.別のシートにコピーする2
前回は、値の貼り付けを「マクロの記録」で行い、そのマクロを修正しました。
以下になります。
Sub
Macro3()
Sheets("Sheet1").Range("A1:J10").Copy
Sheets("Sheet2").Range("A1").PasteSpecial
_
Paste:=xlPasteValues, Operation:=xlNone, SkipBlanks:=False,
Transpose:=False
End Sub
今回は、同じ事を「.COPY」を使わずにやってみましょう。
そもそも、これは何をしているかと言うと、
「.COPY」で、セルをクリップボードに入れ、
クリップボードの値のみセルに入れています。
そこで、クリップボードの代わりに、変数へ入れてから、セルに入れてみましょう。
Sub Macro4()
Dim ClipBoard
ClipBoard =
Sheets("Sheet1").Range("A1:J10")
Sheets("Sheet2").Range("A1:J10") =
ClipBoard
End Sub
変数ClipBoardに入れ、その変数をセルに入れています。
Sheets("Sheet1").Range("A1:J10").Copy
↓
ClipBoard = Sheets("Sheet1").Range("A1:J10")
そして、
Sheets("Sheet2").Range("A1").PasteSpecial
_
Paste:=xlPasteValues, Operation:=xlNone, SkipBlanks:=False,
Transpose:=False
↓
Sheets("Sheet2").Range("A1:J10") = ClipBoard
と、同じように記述しています。
ClipBoard = Sheets("Sheet1").Range("A1:J10")
は、
ClipBoard ← Sheets("Sheet1").Range("A1:J10")
ですね、セルの値を変数に入れます。
Sheets("Sheet2").Range("A1:J10") = ClipBoard
は、
Sheets("Sheet2").Range("A1:J10") ←
ClipBoard
です、変数の値をセルに入れています。
では、実行してみましょう。
ちゃんとコピー出来ちゃいましたね。
簡単ですね。
複数のセルを1つの変数に入れられるんだ・・・
入れられるのです。
どのように入っているか・・・その説明は、大分先になります。
今は、これで出来ると言う事だけ覚えて下さい。
でも、上をさらに簡潔にまとめると、
Sheets("Sheet2").Range("A1:J10") ← ClipBoard ← Sheets("Sheet1").Range("A1:J10")
ということですよね。
それなら、直接入れられないのって思いますよね。
つまり、
Sub Macro5()
Sheets("Sheet2").Range("A1:J10") = Sheets("Sheet1").Range("A1:J10")
End Sub
これで良さそうに思えます。
では、実行してみて下さい。
何も変化が無かったはずです。
(あっ、ちゃんと、Sheet2の内容は消してから実行して下さいね。)
どうなっているのでしょうか。
この指定はダメなのです。
でも、
Sub Macro6()
Sheets("Sheet2").Range("A1") = Sheets("Sheet1").Range("A1")
End Sub
このように、1つのセルだけでやってみて下さい。
どうです、コピーされましたよね。
では、複数セルの場合は、一度変数に入れないといけないのでしょうか。
いやいや、これなら、コピーできます。
Sub Macro7()
Sheets("Sheet2").Range("A1:J10").FormulaR1C1 =
Sheets("Sheet1").Range("A1:J10").FormulaR1C1
End
Sub
前に、FormulaR1C1は要らないと言いましたが、復活です。
突然の復活ですね。
なんなんだー、と言いたいですか・・・私も言いたい(笑)
FormulaR1C1は要らないと言いましたが、それは値を入れる時のことです。
つまり、上も、
Sheets("Sheet2").Range("A1:J10") = Sheets("Sheet1").Range("A1:J10").FormulaR1C1
これならOKです。
上記は、普通は(多くの場合、多くの人がという意味です)、
FormulaR1C1ではなく、Valueを使って、
Sheets("Sheet2").Range("A1:J10").Value =
Sheets("Sheet1").Range("A1:J10").Value
と記述します。
しかし、マクロの記録では、FormulaR1C1に値を入れています。
何故なのか、何が違うのか、Valueとは何か、FormulaR1C1とは何か・・・
それは、計算式をセルに入れる時まで、置いておきましょう。
Valueとの違いをその時に説明します。
ただ、当面は、文字や数値を入れる場合は、Valueを使うと覚えて下さい。
まとめると、値を入れる時(=の左にある時)は、FormulaR1C1を省略して良いが
値を取得(=の右にある時)は、FormulaR1C1を省略してはいけない。
ですから、セルの値を、他のセルに入れる時は、
Sheets(シート名).Range(範囲).FormulaR1C1 = Sheets(シート名).Range(範囲).FormulaR1C1 または、 |
のように、省略せずに書いて下さい。
または、
変数 = Sheets(シート名).Range(範囲) |
のように、一旦変数にいれてから、セルにいれます。
今回は、さらに、100マスを作った時のマクロを手直しして、コピーしてみましょう。
元は、
Sub Macro1()
Dim i
Dim j
Dim k
i = 1
k = 1
Do
While i <= 10
j = 1
Do While j <= 10
Cells(i, j) = k
k = k + 1
j = j +
1
Loop
i = i + 1
Loop
End Sub
これを手直しして、
Sub Macro1()
Dim i
Dim j
i = 1
Do While i <=
10
j = 1
Do While j <= 10
Sheets("Sheet2").Cells(i, j) = Sheets("Sheet1").Cells(i,
j)
j = j + 1
Loop
i = i + 1
Loop
End
Sub
太字の部分の違いと、変数kが不要になっています。
このプログラムが基本だと言いました。
つまりは、こういうことなのです。
これさえ書けるのなら、大抵のことは出来てしまうのです。
多少プログラムが長くても、大した問題ではありません。
コピペすれば一瞬で完成するのですから。
そして、今後も頻繁に使用することになるでしょう。
ですから、このプログラムだけは、絶対に体得して下さい。
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