第8回.表範囲をまとめて消去する(OffsetとClearContents)
エクセルのマクロVBAでの処理では、表範囲を一旦クリアしてから処理することが多くあります。
つまり、表範囲を初期化してから、その後に何らかの処理をするという事になります。
データ部分、つまり見出しや計算式の入ってないセルのみを消去しなければなりません。

見出しを残しデータ部分のみ消去
つまり、
見出しだけを残して初期化します。
表の最終行を取得して、2行目から最終行までを範囲とすることができそうです。
そして、セル範囲の消去は、
または、
セル範囲.Clear
対して、
ClearContentsは、値のみの消去になります、セル範囲を選択して、Deleteキーを押す操作になります。

iには、最終行が取得されて11が入りますので、
結果として、
Range(Range("A2"), Cells(11, 3)).ClearContents
という事なので、正しく消去できます。
1回目で、データ部分が消去され、

2回目には、最終行が1となり、
Range(Range("A2"), Cells(1, 3)).ClearContents
このようになってしまいます。
これは、実行してみれば分かりますが、1行目の見出しまで消えてしまいます。
これを避けるためには、最終行が2以上の時だけ消去する等のロジックを入れる必要があります。
Offsetを使って範囲をずらす

では、なぜそのようになるかの理屈です、コードの解説をします。
これは、シート上でA1セルを選択しCtrl+Aを押した範囲です。
カレントリージョンと読みます、
Offset(ずらす行数, ずらす列数)
Range("A1").CurrentRegion.Offset(1, 0)
これは、表全体の範囲(A1:C11)を下に1つずらした範囲(A2:C12)になります。
2回目を実行したときも、
表全体の範囲(A1:C1)を下に1つずらした範囲(A2:C2)となるので問題ありません。
CurrentRegionの範囲は、周り(上下左右)のセルには何も入っていない独立したセル範囲なので問題ないのです。
ちょっと考えてみて下さい。
Offset(ずらす行数, ずらす列数)
なので、右にも1つずらせば良いのです。

データ範囲に関係なく消去する場合
Columns(1).ClearContents '・・・ A列を消去
Range("A:B").ClearContents '・・・ A:B列を消去
Rows(1).ClearContents '・・・ 1行目を消去
Range("1:2").ClearContents '・・・ 1:2行目を消去
ExcelマクロVBA入門等の対応ページ
第28回.セル・行・列の選択(Select,ActivateとCurrentRegion)
第39回.セルのクリア(Clear,ClearContents)
第83回.RangeのOffsetプロパティ
同じテーマ「マクロVBA再入門」の記事
第5回.同じ計算を行数分繰り返す(For~Next)
第6回.表の先頭から最終行まで繰り返す(ForとEnd(xlUp).Row)
第7回.セルの値によって計算を変える(Ifステートメント)
第8回.表範囲をまとめて消去する(OffsetとClearContents)
第9回.関数という便利な道具(VBA関数)
第10回.ワークシートの関数を使う(WorksheetFunction)
第11回.分からない事はエクセルに聞く(マクロの記録)
第12回.エクセルの言葉を理解する(オブジェクト、プロパティ、メソッド)
第13回.セルのコピペ方法を知る(CopyとPaste、さらに)
第14回.セルの書式を設定する(NumberFormatLocal,Font,Borders,Interior)
第15回.手作業で出来なければマクロは書けない
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