第10回.タプル(tuple型、イミュータブル)
プログラミングにおいて覚えなければならないものとして配列があります。
Pythonの組み込み型に、リスト(list型)とタプル(tuple型)があります。
今回はタプル(tuple型)について解説します。
第9回.リスト(list型、配列)
目次
タプル(tuple型)とは
・リストはミュータブル(変更可能)なデータ型
・タプルはイミュータブル(変更不可)なデータ型
つまりオブジェクトの値を変更できるかどうかの違いです。
これについては、次の節で詳しく説明します。
・リストは、[]角括弧で作成
・タプルは、()丸括弧で作成
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image162.jpg)
要素が1つの場合は、(値,)、このようにカンマを1つ付けなければなりません。
要素数が0の空タプルは、()だけにすることで作成できます。
()括弧を省略したり,カンマで終わるとタプルになります。
![エクセル Excel サンプル画像](image148.jpg)
type()は組み込み関数です。
type()関数は、引数が1つだけの場合はobject の型を返します。
タプルの入れ子による多段階配列の作成
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image163.jpg)
ミュータブルとイミュータブル
ミュータブルは、オブジェクトの値そのものを変更できるオブジェクトです。
イミュータブルは、オブジェクトの値そのものは変更できないオブジェクトです。
イミュータブルのオブジェクト:bool,int,float,complex,str,tuple,range
※全部ではありません、既出および近い回で説明する型だけです。
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image331.jpg)
しかし、イミュータブルのtupleでは値を変更することはできません。
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image332.jpg)
では、次の例ではどうでしょうか。
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image333.jpg)
変更できないはずのtupleが違う値に変更出来ています。
しかしこれは、変数を新たに作成し直しているにすぎません。
変数にはそれを識別するid(識別値)があります。
識別値は、id()関数で取得できます。
オブジェクトの識別値(アドレス)を返します。
識別値は整数で、そのオブジェクトの有効期間中は一意かつ定数であることが保証されています。
有効期間が重ならない(同時に存在しない)2 つのオブジェクトは同じ id()値を持つ事はありえます。
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image335.jpg)
このように、id(識別値)が違うという事は別の変数だという事です。
これに対して、listの値を変更した場合は、
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image336.jpg)
このように同じid(識別値)で中の値が変更されています。
これは、listのメソッド(appendやsort)を実行した場合も同じです。
ただし、ミュータブルのlistでも変数に再代入した場合は別のid(識別子)になります。
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image337.jpg)
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image212.jpg)
id(識別子)も同じままになります。
タプル演算子
+演算子
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image166.jpg)
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image167.jpg)
*演算子
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image168.jpg)
inとnot in
inは、含まれていればTrue
not inは、含まれていなければTrue
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image169.jpg)
大文字小文字が区別されます。
list()関数とtuple()関数
tuple()関数は、引数のlist,tuple,rangeをtuole型に変換して返します。
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image329.jpg)
タプルのインデックスとスライス
タプルのインデックス
Python | VBA | GAS | C++ | C# |
0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
-5 | -4 | -3 | -2 | -1 |
タプル変数[index]
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image3222.jpg)
インデックスの範囲外を取得しようとするとエラーになります。
タプルのスライス
スライスの指定は、
タプル変数[start:stop]
タプル変数[start:stop:step]
スライスでは、stopにはリストの要素数(最大インデックス+1)以上が指定できます。
stepは飛び飛びで取得する場合に使用します。
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image3232.jpg)
stop-1つまりstopの1つ手前までが範囲になる点に注意してください。
インデックス範囲外の数値を指定してもエラーにならず、有効な範囲内の要素が取得されます。
タプルのアンパック
タプルを展開して複数の変数に代入することをアンパックと言います。
ただし、左辺の変数の数と右辺のタプルの要素数は一致している必要があります。
一致していない場合はエラーになります。
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image324.jpg)
f'またはf"については、文字列操作のf-string(フォーマット済み文字列リテラル)
for文とタプル
for word in ("pthon","range","list","tuple"):
print(word)
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image139.jpg)
while文とタプル
lst = ("pthon","range","list","tuple")
i = 0
while i < len(lst):
print(lst[i])
i += 1
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image140.jpg)
tupleのメソッド
index()メソッド
値が存在しない場合はエラーになります。
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image326.jpg)
count()メソッド
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image327.jpg)
タプルの並べ替え(sorted関数)
呼び出し時に仮引数名が必須になります。
リストのそれぞれの要素から比較キーを取り出すのに使います。
例、str.lower、str.upper、len
True がセットされた場合、リストの要素は個々の比較が反転したものとして並べ替えられます。
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image170.jpg)
アルファベット順にする場合は、keyにstr.lowerまたはstr.upperを指定します。
![Python tuple ミュータブル イミュータブル](image172.jpg)
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