VBA関数
IsObject関数

Excelマクロで必須のVBA関数を入門・初級・初心者向けに詳細解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2021-10-13

IsObject関数


識別子(主にバリアント変数)がオブジェクト変数を表しているかどうかを判断する場合に使用します。
バリアント変数がオブジェクト変数を表しているかどうかを示すBoolean値(True/False)を返します。


IsObject関数の構文

Isobject(識別子)

識別子は、主にバリアント変数名を指定します。

IsObject関数の解説

Isobject関数は、バリアント変数がオブジェクトであるかどうかを判断する場合にのみ役立ちます。

識別子がObject型または任意の有効なクラス型を使用して宣言されている場合、
または、VarType vbObjectのバリアント型 (Variant) の場合、またはユーザー定義のオブジェクトの場合はTrueを返します。
それ以外の場合は、 Falseを返します。

具体的に説明すると、変数が次の場合に、IsObject関数はTrueを返します。

・Object型で宣言されている場合
・固有オブジェクト型で宣言されている場合
・バリアント変数がオブジェクトを表している場合
・変数にNothingが設定されている場合

上記以外の場合は、 IsObject関数はFalseを返します。
したがって、VBAの基本データ型(プリミティブ型)は常にFalseが返りますので判定する意味はありません。

IsObjectはクラスがインスタンス化(New)されているかどうかの判定には使えません。
クラスがインスタンス化されているかどうかを判定するには、Is Nothingを使用してください。
VBAを使い始めてからある程度進むとオブジェクト変数を必ず使い始めることになります。しかし、オブジェクト変数をどうやって使ったらよいのか、オブジェクト変数とはどういうものなのか… ここの理解で苦しんでいることが多々あるようです。VBA入門は現在137回までありますが、オブジェクト変数については第52回.オブジェクト…

Object型と固有オブジェクト型について

第52回.オブジェクト変数とSetステートメント|VBA入門
変数のデータ型の説明において、Object…オブジェクト型 というのがあった事を覚えているでしょうか。数値や文字ではなく、オブジェクトを入れる変数がオブジェクト変数です。オブジェクトと言っても、いろいろなものがあります。

IsObject関数に指定できない変数

IsObject関数に、ユーザー定義型(Type)の変数を指定することはできません。

IsObject関数の使用例

Dim vObject As Object
Debug.Print IsObject(vObject) 'True

Dim vRange As Range
Debug.Print IsObject(vRange) 'True

Dim vClass As クラス名
Debug.Print IsObject(vClass) 'True

Dim vLong As Long
Debug.Print IsObject(vLong) 'False

Dim vVariant As Variant
Debug.Print IsObject(vVariant) 'False
Set vVariant = Nothing
Debug.Print IsObject(vVariant) 'True
vVariant = "abc"
Debug.Print IsObject(vVariant) 'False
Set vVariant = Range("A1")
Debug.Print IsObject(vVariant) 'True

Variant変数がNothingとなっている場合にもTrueが返る事に注意してください。
実務的な使用場面としては、
以下のように関数Function等の代入ステートメントでの書き分けに使用されることが多いでしょう。

Function fnc(arg As Variant) As Variant
  If IsObject(arg) Then
    Set fnc = arg
  Else
    fnc = arg
  End If
End Function

変数がオブジェクト(Nothingを含む)を表している場合、代入ではSetステートメントの記述が必要になります。
逆に、オブジェクト以外の場合には、Setステートメントを記述することができません。

Is○○関数一覧

関数名 機能
IsArray関数 変数が配列かどうかを示すブール型(Boolean)の値を返します。
IsDate関数 式が日付であるかを示すブール型(Boolean)の値を返します。
IsEmpty関数 変数が初期化されているかどうかを示すブール型(Boolean)の値を返します。
IsError関数 式がエラー値かどうかを示すBoolean値を返します。
IsMissing関数 オプション(Optional)のVariant引数がプロシージャに渡されたかどうかを示すブール型(Boolean)の値を返します。
IsNull関数 式に無効なデータ(Null)が含まれていないかどうかを示すブール型(Boolean)の値を返します。
IsNumeric関数 式を数値として評価できるかどうかを示すブール型(Boolean)の値を返します。
IsObject関数 識別子がオブジェクト変数を表しているかどうかを示すBoolean値を返します。


Office VBA リファレンス データ型変換関数


※VBA関数一覧
マクロVBA関数の一覧と解説です、どんな関数があるかは一度は確認しておくとをお勧めいたします。どんな関数があるだけでも知っておけば、詳細の使い方は実際に使うときに調べても良いでしょう。文字列操作…34 分岐…3 型変換…14 データ判定…10 日付時刻…20 配列…6 ファイル操作…14 数学/財務…28 その他……



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