VBAサンプル集
Excelの表をPowerPointへ図として貼り付け

ExcelマクロVBAの実用サンプル、エクセルVBA集と解説
公開日:2015-03-29 最終更新日:2020-06-22

Excelの表をPowerPointへ図として貼り付け


PowerPointを作っていると、エクセルの表を挿入したいことが多いです、
単発作業なら手作業で十分ですが、
定期的にやる場合や、数が多いと大変ですので、マクロで自動化したくなります。


Excelの表をPowerPointへ図として貼り付けるVBA

Sub sample()
  Dim ppApp As New PowerPoint.Application
  Dim ppPt As Presentation
  Dim ppSlide As Slide
  Dim ppShape As PowerPoint.Shape
  Dim ws As Worksheet
  'ppApp.Visible = True 'PowerPoint2007以前の場合は有効にしてください。
  Set ppPt = ppApp.Presentations.Open(ThisWorkbook.Path & "\sample.pptx")
  Set ws = ThisWorkbook.Worksheets("Sheet1")
  With ws
    .Range("A1").CurrentRegion.Copy
    'PasteSpeciaでエラーが出るときは、ここに待ちを作ります。
    'スライド番号を指定
    Set ppSlide = ppPt.Slides(1)
    ppSlide.Shapes.PasteSpecial DataType:=ppPasteEnhancedMetafile, Link:=msoFalse
    Set ppShape = ppSlide.Shapes(ppSlide.Shapes.Count)
    '上位置
    ppShape.Top = Application.CentimetersToPoints(1)
    '左位置
    ppShape.Left = Application.CentimetersToPoints(1)
    '縦横比を固定
    ppShape.LockAspectRatio = msoTrue
    '横幅
    ppShape.Width = Application.CentimetersToPoints(30)
    Application.CutCopyMode = False
  End With
  
  ppPt.Save
  ppApp.Quit
  Set ppPt = Nothing
  Set ppApp = Nothing
End Sub

Excelの表をPowerPointへ図として貼り付けるVBAの解説

上記は、まずは最低限のコードです。
セル範囲をコピーして、拡張メタファイルとして貼り付けています。
エラー処理は入れていませんので、適宜入れて下さい。
良く発生するエラーについては、下で説明を書きました。

PasteSpecial
スライドへ貼り付ける、PasteSpecialの引数

DataType PpPasteDataType クリップボードの内容をドキュメントに挿入するときの形式です。
既定値は、クリップボードの内容によって異なります。
クリップボードの内容が引数 DataType で指定したデータ型がサポートされていない場合、エラーが発生します。
DataTypeには以下が指定可能です。
ppPasteBitmap
ppPasteDefault
ppPasteEnhancedMetafile
ppPasteHTML
ppPasteGIF
ppPasteJPG
ppPasteMetafilePicture
ppPastePNG
ppPasteShape
DisplayAsIcon MsoTriState 埋め込みオブジェクトまたはリンクをアイコンで表示するには、MsoTrue?を設定します。
IconFileName 文字列型 (String) 引数 DisplayAsIcon が定数?msoTrue?に設定されている場合、この引数は表示するアイコンが保存されているファイルのパスとファイル名となります。
引数 DisplayAsIcon が定数?msoFalse?に設定されている場合、この引数は無視されます。
IconIndex 長整数型 (Long) DisplayAsIcon がmsoTrueに設定されている場合この引数は IconFilename で指定されるプログラム ファイルで使用するアイコンに対応する番号です。
たとえば、0 (ゼロ) は最初のアイコンに対応して 1、2 番目のアイコンに対応します。この引数を省略すると、最初の (既定の) アイコンが使用されます。
DisplayAsIcon がmsoFalseに設定されている場合、この引数は無視されます。IconIndex が有効な範囲外にある場合は、既定のアイコン (インデックス 0) が使用されます。
IconLabel 文字列型 (String) 引数 DisplayAsIcon が定数?msoTrue?に設定されている場合、この引数はアイコンの下に表示されるテキストとなります。
このラベルがない場合、クリップボードの内容に基づいてアイコン ラベルが作成されます。
引数 DisplayAsIcon が定数?msoFalse?に設定されている場合、この引数は無視されます。
Link MsoTriState クリップボード内容のソース ファイルへのリンクを作成するかどうかを指定します。クリップボードの内容がリンクをサポートしていない場合、エラーが発生します


ほとんどの場合、上記のコードで問題ないのですが、
Excelの表が大きかったり、情報が複雑な場合、
PasteSpecialでエラーとなる場合があります。
エラーの発生理由は、
Copyが非同期で行われているらしいことが原因です。
そこで、対策としては、Copyの直後に一定時間待ちを作ることです。
まず最初には、
DoEvents
DoEvents関数は、発生したイベントがOSによって処理されるように、プログラムで占有していた制御をOSに渡します。DoEvents関数 構文 DoEvents 説明 開かれているフォームの数を返します。開かれているフォームが無ければ0返します。
これで試してみて下さい、これで解決するならこれが一番です。
これでダメなら、
Application.Wait
これで1秒程度の待ちを作って下さい。
APIのSleepなら、ms単位で調整できます。
・Declare ステートメン ・APIの使用例 ・いろいろなAPIについて

実際のプログラムでは、この貼り付けが複数になり、
かつ、サイズ等もそれぞれ指定する必要がありますので、
結構複雑なコードを書くことになります。
このような貼り付け情報を別シートに表にしておき、
それを基に貼り付けるようにする必要があります。

グラフをPowerPointへ貼り付け

セル範囲(表)だけではなく、グラフを貼り付ける場合も含めて、
以下でまとめて解説記事にしました。
VBAで表やグラフをPowerPointへ貼り付ける
・表やグラフをPowerPointへ貼り付けるVBA ・PowerPointを使う準備と保存終了 ・表(セル範囲)をPowerPointへ貼り付けるVBAの解説 ・グラフをPowerPointへ貼り付けるVBAの解説 ・貼り付け時のエラー対応 ・既にパワーポイントを開いている場合

既にパワーポイントを開いている場合

事前に手動でパワーポインを開いていて、そのパワーポイントをエクセルVBAで操作する場合は、
GetObject関数を使います。
・GetObject関数の構文 ・GetObjectの解説 ・GetObject関数の使用例 ・GetObject関数とCreateObject関数の使い分け ・CreateObject関数
以下で具体的なVBAコードを紹介しています。
VBAで表やグラフをPowerPointへ貼り付ける
・表やグラフをPowerPointへ貼り付けるVBA ・PowerPointを使う準備と保存終了 ・表(セル範囲)をPowerPointへ貼り付けるVBAの解説 ・グラフをPowerPointへ貼り付けるVBAの解説 ・貼り付け時のエラー対応 ・既にパワーポイントを開いている場合



同じテーマ「マクロVBAサンプル集」の記事

Excel2003(xls)を2007以降(xlsx,xlsm)に変換する(HasVBProject)

Excel2003形式(xls)のファイルを、一括でExcel2007以降形式(xlsx,xlsm)に変換するマクロVBAサンプルコードです。サンプルコードでは、サブフォルダ「Excelファイル」にあるxlsを、マクロ無しならxlsx、マクロ有りならxlsmにして保存しています。
ハイパーリンクからファイルのフルパスを取得する
ハイパーリンクのリンク先ファイル情報を取得しようとすると、なかなか難しいことになります、ハイパーリンクからパスを取得すると相対パスとなり、簡単にはファイル情報を取得出来ません。以下のサンプルでは、ハイパーリンクの設定されているセルの右隣のセルに更新日時を出力しています。
ボタンに表示されているテキストを取得(Application.Caller)
メニューのシートを作成して、ボタンを配置、そしてボタンにより指定シートに移動する。よくありますが、ボタン一つずつに別々(移動先のシート毎に)のマクロを作成するのは面倒です、そこで、一つのマクロで済ませる方法の紹介です。Application.Caller Application.Callerは、VBAを呼び出した方…
Excelの表をPowerPointへ図として貼り付け
VBAで表やグラフをPowerPointへ貼り付ける
・表やグラフをPowerPointへ貼り付けるVBA ・PowerPointを使う準備と保存終了 ・表(セル範囲)をPowerPointへ貼り付けるVBAの解説 ・グラフをPowerPointへ貼り付けるVBAの解説 ・貼り付け時のエラー対応 ・既にパワーポイントを開いている場合
フォルダ(サブフォルダも全て)削除する、Optionでファイルのみ削除
VBAでフォルダを削除するにはRmDirステートメントを使いますが、サブフォルダやファイルが入っている場合は、RmDirはエラーとなります。そこで、サブフォルダやファイルがある場合は、FileSystemObjectを使います。以下のサンプル使用時には、「ツール」→「参照設定」で、「MicrosoftScripti…
Shift_JISのテキストファイルをUTF-8に一括変換
本サイトの文字コードは開設当初からShift_JISでしたが、昨今の事情を考えてUTF-8に変更することにしました。そこで既存記事全てを一括で変換することになり、これをVBAでやりましたので、その時のマクロVBAコードを掲載しておきます。以下のVBAコードはサイトのUTF-8変更にあたり急遽作成したものですが、
VBAコードの全プロシージャー・プロパティ一覧を取得
・セキュリティについて ・VBAコードの全プロシージャー・プロパティ一覧を取得するVBAコード ・使用する場合のVBAサンプル
数式バーの高さを数式の行数で自動設定
数式バーの高さは、操作で変更しない限り一定の高さのままになっています。通常は1行表示になっている場合が多いと思いますが、その場合、セル内で改行されていると最初の1行しか見ることができません。値の場合はセルに表示されているのであまり問題ありませんが、数式の場合はセル編集にしないと数式の全部を見ることができません。
図形オートシェイプ(Shape)の複数選択
・ワークシートの全てのShapeを選択する場合 ・ShapeオブジェクトのSelectメソッド ・ShapeRangeオブジェクト ・シート内の指定名称の図形を選択
GoogleスプレッドシートをExcelにインポートする
・スプレッドシートのURLを取得 ・ブラウザで直接ダウンロードする ・Power Queryで取り込む ・VBAでGoogleスプレッドシートをインポートする


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

TRIMRANGE関数(セル範囲をトリム:端の空白セルを除外)|エクセル入門(2024-08-30)
正規表現関数(REGEXTEST,REGEXREPLACE,REGEXEXTRACT)|エクセル入門(2024-07-02)
エクセルが起動しない、Excelが立ち上がらない|エクセル雑感(2024-04-11)
ブール型(Boolean)のis変数・フラグについて|VBA技術解説(2024-04-05)
テキストの内容によって図形を削除する|VBA技術解説(2024-04-02)
ExcelマクロVBA入門目次|エクセルの神髄(2024-03-20)
VBA10大躓きポイント(初心者が躓きやすいポイント)|VBA技術解説(2024-03-05)
テンキーのスクリーンキーボード作成|ユーザーフォーム入門(2024-02-26)
無効な前方参照か、コンパイルされていない種類への参照です。|エクセル雑感(2024-02-17)
初級脱出10問パック|VBA練習問題(2024-01-24)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
3.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
4.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
5.RangeとCellsの使い方|VBA入門
6.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
7.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
8.メッセージボックス(MsgBox関数)|VBA入門
9.条件分岐(Select Case)|VBA入門
10.ブック・シートの選択(Select,Activate)|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。


このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ