VBAサンプル集
入力規則のリスト入力の妥当性判定

ExcelマクロVBAの実用サンプル、エクセルVBA集と解説
公開日:2013-10-28 最終更新日:2020-09-15

入力規則のリスト入力の妥当性判定


入力規則のリスト入力は、Excelの機能の中でも頻繁に使われる機能です。


入力規則の目的として、リスト内のデータのみの入力に限定したいと言う事になりますが、
コピペで値の貼り付けを行うと、どんな値でも入力出来てしまいます。

このエクセルの仕様はとても不便なものですが仕方ありません。
結果として想定外の値が入力されてしまう事がある以上、入力値のチェックは必要になってきます。

入力規則の詳細についてはいかを参照してください。

入力規則(Validation)|VBA入門
・Validationオブジェクト ・入力規則(Validation)の使用例 ・入力規則を設定しても無効データが入力されてしまう場合への対処

以下は、入力規則を設定したセル値が正しい値かどうかを判定する方法になります。


入力規則に反するデータかの判定Function

Function isValidationOk(ByVal rng As Range) As Boolean
  If rng.Validation.Value Then
    isValidationOk = True
  Else
    isValidationOk = False
  End If
End Function

入力規則に反しているかどうかだけであれば、これだけで判定できます。
.Validation.Value
Trueなら入力規則に適合したデータ
Falseなら入力規則に反したデータ
もちろん上記のVBAは、

Function isValidationOk(ByVal rng As Range) As Boolean
  isValidationOk = rng.Validation.Value
End Function

これだけで良いものです。
そもそもこれではFunction関数にする意味もないので、説明的に書いたものです。
もうこの部分だけのFunctionでは意味がないので、
シート全体として入力規則に反していないかを判定するFunctionにしてみましょう。

Function isValidaionOk(ByVal ws As Worksheet) As Boolean
  Dim valiRng As Range
  Dim myRng As Range
  
  On Error Resume Next
  Set valiRng = ws.Cells.SpecialCells(xlCellTypeAllValidation)
  If Err Then Exit Function
  On Error GoTo 0
  
  For Each myRng In valiRng
    If Not myRng.Validation.Value Then
      isValidaionOk = False
      Exit Function
    End If
  Next
  
  isValidaionOk = True
End Function

入力規則がまったく無いシートの場合、SpecialCellsがエラーになってしまいます。
そこで、On Error Resume Nextでエラー判定を行っています。


入力規則のリスト入力の妥当性を判定Function

初期掲載時は、以下で紹介するVBAを掲載していました。
しかし、単に判定するだけなら上記VBAで良いという事で追記しました。

とはいえ、上記だけではつまらないので、自力で入力規則のデータを調べてみましょう。
ただし、タイトルにある通りリスト入力限定です。
全部の入力規則に自力で対応するのはかなり大変です。

Function isValidationOk(ByRef argRange As Range) As Boolean
  Dim myRange As Range
  Dim strList As String
  
  On Error Resume Next
  isValidationOk = True
  
  '空欄はOKとする
  If argRange.Value = "" Then Exit Function
  
  '入力規則のリストかどうか
  If argRange.Validation.Type = xlValidateList Then
    '入力規則がない場合はエラーが発生するので
    If Err.Number > 0 Then Exit Function
  Else
    '入力規則のリスト以外はチェックしない
    Exit Function
  End If
  
  If Left(argRange.Validation.Formula1, 1) = "=" Then
    'リストがセル範囲指定の場合
    Set myRange = Application.Range(Mid(argRange.Validation.Formula1, 2))
    If WorksheetFunction.CountIf(myRange, argRange) > 0 Then
      Exit Function
    End If
  Else
    'リストデータが直接指定の場合
    strList = "," & argRange.Validation.Formula1 & ","
    If strList Like "*," & argRange.Value & ",*" Then
      Exit Function
    End If
  End If
  
  '入力規則のリストにないのでエラー
  isValidationOk = False
End Function

入力規則において、直接リストデータを入れている場合は、
.Validation.Formula1には、"A,B,C,・・・"とカンマ区切りの文字列が入っています。
そこで、前後に,カンマを付け足して、",文字列,"でLike判定しています。
・Like演算子 ・パターン文字列式(ワイルドカード、文字リスト、文字範囲) ・Like演算子の使用例 ・正規表現について

他のセル範囲を参照している場合は、"="に続けてセル範囲のアドレスが入っています。
他のシートならシート修飾が付いていて、同一シートならセルアドレスだけが取得されます。
そこでこの=の後ろの文字列からセル範囲を取得し、
そのセル範囲に対して、シートのCountIf関数で判定しています。
・COUNTIF関数の書式 ・COUNTIF関数の使用例 ・COUNTIF関数でワイルドカードを使用 ・COUNTIF関数の応用例
Match関数
・MATCH関数の書式 ・ワイルドカード ・MATCH関数の使用例:完全一致
Findメソッド
・Findメソッド ・FindNext メソッド ・FindPrevioust メソッド ・Application.FindFormatメソッド ・FindメソッドとFindNextメソッドの実戦例
これらでも判定できますが、このような場合はCountIf関数が簡単でしょう。


最後に

本来なら入力規則まで設定してあるのに、他の値を入れてしまう事自体に問題があると思います。
それは、使用者に対する注意事項として伝えるへきものです。
しかし、
万一コピペ等でリスト以外のデータが入力されてしまった場合に、その後の処理に支障をきたすのであれば、やはりチェックしておく必要出てきます。
そのような場合があれば、参考にして下さい。

以下の記事も参考にしてください。
入力規則への貼り付けを禁止する|VBA技術解説
ツイッターで以下の発言をしたのをきっかけに作成したマクロVBAです。入力規則は便利なんだけどさ、値貼り付け出来ちゃダメでしょ!では、問題です。シートに入力規則のリストを設定しました。VBAでそのデータを使ったら規則外のデータが入っていてエラーが出てしまいました。



同じテーマ「マクロVBAサンプル集」の記事

右クリックメニューの変更(CommandBars)

・シートモジュールに以下を追加 ・標準モジュールに以下を追加 ・コマンドバー.Controls.Add() ・コントロールのメンバーについて ・CommandBarsの種類
エクセルのアイコン取得(FaceID)
エクセル内のアイコンを取得します。「右クリックメニューの変更」のFaceIdとして使用します。2003までなら、ツールバーが追加されます。2007以降では、リボンのアドインの中に追加されます。ConststartNoAsInteger=1'開始番号を指定 ConststopNoAsInteger=50'終了番号を指…
素数を求めるマクロ
素数とは、1と自分自身以外に正の約数を持たない、1でない自然数のことです、この素数を求めて、シートに出力するマクロになります。特に何かに使えると言う事もないので、PCの計算能力って、どの程度なのかを実感してみるくらいの事でしょうか。注意 このマクロはオーバーフローするまで停止しません。
入力規則のリスト入力の妥当性判定
配色を使用したカラー設定を固定カラーに変更
Excel2007以降なら配色を選択して作成した場合、作成したシートを他のブックに移すと色が変わってしまいます、そこで、配色ではなくRGB値で色を再設定することで、元々の色をそのままにして、他のブックに移すことが出来るようにします。以下は、この目的で色を再設定するマクロVBAになります。
指定セルに名前定義されているか判定する
・指定セル範囲が何らかの名前定義に含まれているか ・指定セル範囲と同一範囲の名前定義があるか ・すでに設定されている名前定義を削除してから再設定 ・マクロVBAでの名前定義について
Excel2003(xls)を2007以降(xlsx,xlsm)に変換する(HasVBProject)
Excel2003形式(xls)のファイルを、一括でExcel2007以降形式(xlsx,xlsm)に変換するマクロVBAサンプルコードです。サンプルコードでは、サブフォルダ「Excelファイル」にあるxlsを、マクロ無しならxlsx、マクロ有りならxlsmにして保存しています。
ハイパーリンクからファイルのフルパスを取得する
ハイパーリンクのリンク先ファイル情報を取得しようとすると、なかなか難しいことになります、ハイパーリンクからパスを取得すると相対パスとなり、簡単にはファイル情報を取得出来ません。以下のサンプルでは、ハイパーリンクの設定されているセルの右隣のセルに更新日時を出力しています。
ボタンに表示されているテキストを取得(Application.Caller)
メニューのシートを作成して、ボタンを配置、そしてボタンにより指定シートに移動する。よくありますが、ボタン一つずつに別々(移動先のシート毎に)のマクロを作成するのは面倒です、そこで、一つのマクロで済ませる方法の紹介です。Application.Caller Application.Callerは、VBAを呼び出した方…
Excelの表をPowerPointへ図として貼り付け
・Excelの表をPowerPointへ図として貼り付けるVBA ・Excelの表をPowerPointへ図として貼り付けるVBAの解説 ・グラフをPowerPointへ貼り付け ・既にパワーポイントを開いている場合
VBAで表やグラフをPowerPointへ貼り付ける
・表やグラフをPowerPointへ貼り付けるVBA ・PowerPointを使う準備と保存終了 ・表(セル範囲)をPowerPointへ貼り付けるVBAの解説 ・グラフをPowerPointへ貼り付けるVBAの解説 ・貼り付け時のエラー対応 ・既にパワーポイントを開いている場合


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

ブール型(Boolean)のis変数・フラグについて|VBA技術解説(2024-04-05)
テキストの内容によって図形を削除する|VBA技術解説(2024-04-02)
ExcelマクロVBA入門目次|エクセルの神髄(2024-03-20)
VBA10大躓きポイント(初心者が躓きやすいポイント)|VBA技術解説(2024-03-05)
テンキーのスクリーンキーボード作成|ユーザーフォーム入門(2024-02-26)
無効な前方参照か、コンパイルされていない種類への参照です。|エクセル雑感(2024-02-17)
初級脱出10問パック|VBA練習問題(2024-01-24)
累計を求める数式あれこれ|エクセル関数応用(2024-01-22)
複数の文字列を検索して置換するSUBSTITUTE|エクセル入門(2024-01-03)
いくつかの数式の計算中にリソース不足になりました。|エクセル雑感(2023-12-28)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
3.RangeとCellsの使い方|VBA入門
4.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作
5.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
6.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
7.ブックを閉じる・保存(Close,Save,SaveAs)|VBA入門
8.並べ替え(Sort)|VBA入門
9.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
10.Findメソッド(Find,FindNext,FindPrevious)|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。


このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ