シングルクォートの削除とコピー(PrefixCharacter)
セルに入力した先頭の'シングルクォーテーションは特殊なものとなっています。
通常は、数値を文字としてセルに入れるときに使っているものです。
マクロVBAでセル値を取得すると、この'シングルクォーテーションはValueでは取得できません。
したがって、
セル.Value = セル.Value
これを実行すると、先頭の'シングルクォーテーションは消えてしまいます。
セルのコピーでは'シングルクォーテーションも含めてコピーされますが、値貼り付けでは消えてしまいます。
シングルクォーテーション意味



オプションで、Lotus1-2-3のキー操作に変更することができます。
オプションの一番下に設定があります。

Lotus1-2-3のキー操作では、
「'」左寄せ、「^」中央寄せ、「"」右寄せ、「\」セル幅に繰り返す
これらがあります。
オプションでLotus1-2-3のキー操作にチェックを付けていない場合は、「'」左寄せのみ有効な状態といえるでしょう。
VBAでシングルクォーテーションがコピーされる場合と消える場合
・コピー&ペースト
Range("A:B").Copy Destination:=Range("C1")
Range("A1:B2").Copy
Range("C1").PasteSpecial Paste:=xlPasteAll
ただし、コピー先がすでにシングルクォーテーションが付いている場合は残ります。
Range("A:B").Copy
Range("C1").PasteSpecial Paste:=xlPasteValues
Range("C1:D1").Value = Range("A1:B1").Value
VBAでのシングルクォーテーションの取得方法
PrefixCharacterプロパティは、セルのプレフィックス文字を返します。
・Falseの場合、 'または空白になります。
・Trueの場合、'左揃え、"右揃え、^中央寄せ、\繰り返し、または空白になります。
VBAでシングルクォーテーションを取り除くVBA
Public Sub prefixDelete(argRange As Range)
'対象セル範囲を使用セル範囲に限定
Dim ws As Worksheet
Set ws = argRange.Worksheet
Set argRange = Intersect(ws.Range(argRange.Item(1), _
ws.UsedRange(ws.UsedRange.Count)), _
argRange)
'プレフィックス文字がある場合のみValueをコピー
Dim myRange As Range
For Each myRange In argRange
If myRange.PrefixCharacter <> "" Then
myRange.Value = myRange.Value
End If
Next
End Sub
PrefixCharacterが空白以外の時だけValueをコピーしています。
広いセル範囲が指定された場合の無駄なコピーを省くために、UsedRangeの範囲に限定しています。
Call prefixDelete(Range("A:B"))
VBAでシングルクォーテーションを含めて値コピーするVBA
Public Sub prefixCopy(ByVal fromRange As Range, _
ByVal toRange As Range)
'コピー元範囲を使用セル範囲に限定
Dim ws As Worksheet
Set ws = fromRange.Worksheet
Set fromRange = Intersect(ws.Range(fromRange.Item(1), _
ws.UsedRange(ws.UsedRange.Count)), _
fromRange)
'Prefixを付けてVlueをコピー
Dim fRng As Range, tRng As Range
Dim i1 As Long, i2 As Long
For i1 = 1 To fromRange.Rows.Count
For i2 = 1 To fromRange.Columns.Count
With fromRange.Item(i1, i2)
toRange.Item(i1, i2).Value = .PrefixCharacter & .Value
End With
Next
Next
End Sub
プレフィックスを付けてValueをコピーしています。
コピー先のセル範囲の大きさは考慮していません。
コピー先の先頭セルからコピー元の大きさでコピーしています。
Call prefixCopy(Range("A:B"), Range("C1"), True)
ちなみに、プレフィックスを取り除いてコピーする場合は
toRange.Resize(fromRange.Rows.Count, fromRange.Columns.Count).Value = fromRange.Value
これだけで済みます。
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