第137回.ActiveXコントロール
リボンの開発タブにコントロールの挿入があります。
ActiveXコントロールをシートに配置してVBAで扱う場合の解説になります。
ただし、過去のバージョンアップで動作に問題が出たこともありますので、使用するときは十分に注意してください。
ActiveXコントロールを追加する
ActiveXコントロール、リンクされたOLEオブジェクト、または埋め込まれているOLEオブジェクトを表します。
名前 | 必須 省略 |
データ型 | 説明 |
ClassType | 省略可能 | Variant | ClassTypeまたはFileNameのいずれかを指定する必要があります。 オブジェクトのプログラムIDを含む文字列を指定します。 ClassTypeが指定されている場合、FileNameおよびLink_は無視されます。 |
FileName | 省略可能 | Variant | ClassTypeまたはFileNameのいずれかを指定する必要があります。 OLEオブジェクトの作成に使用するファイルを示す文字列を指定します。 |
Link | 省略可能 | Variant | この引数にTrueを指定すると、引数FileNameで指定したファイルで作成された新しいOLEオブジェクトをリンクします。 オブジェクトをリンクしない場合は、オブジェクトはそのファイルのコピーとして作成されます。 既定値は、Falseです。 |
DisplayAsIcon | 省略可能 | Variant | 新しいOLEオブジェクトをアイコンまたは通常のピクチャで表示するには、Trueを指定します。 この引数がTrueの場合、引数IconFileNameおよび引数IconIndexを使ってアイコンを指定できます。 |
IconFileName | 省略可能 | Variant | 表示するアイコンのファイルを示す文字列を指定します。 この引数は、DisplayAsIconがTrueの場合にのみ使用されます。 この引数を省略するか、指定したファイルにアイコンがない場合は、OLEクラスの既定のアイコンが使われます。 |
IconIndex | 省略可能 | Variant | アイコンファイルに含まれるアイコンの番号を指定します。 これは、DisplayAsIconがTrueで、IconFileNameがアイコンを含む有効なファイルを参照している場合にのみ使用されます。 この引数で指定したインデックス番号のアイコンが、引数IconFileNameで指定したファイルに存在しないときは、ファイル内の最初のアイコンが使われます。 |
IconLabel | 省略可能 | Variant | アイコンの下に表示するタイトルを示す文字列を指定します。 これは、DisplayAsIcon_がTrueの場合にのみ使用されます。 この引数を省略するか空の文字列("")を指定すると、タイトルは表示されません。 |
Left | 省略可能 | Variant | ワークシートのセルA1の左上隅またはグラフの左上端を基準にして、新しいオブジェクトの初期座標をポイント単位で指定します。 |
Top | 省略可能 | Variant | ワークシートの1行目の上端またはグラフのグラフエリアの上端を基準にして、新しいオブジェクトの初期座標をポイント単位で指定します。 |
Width | 省略可能 | Variant | 新しいオブジェクトの初期幅をポイント単位で指定します。 |
Height | オプション | Variant | 新しいオブジェクトの初期の高さをポイント単位で指定します。 |
ActiveXコントロール | ClassType |
コマント ボタン | Forms.CommandButton.1 |
コンボ ボックス | Forms.ComboBox.1 |
チェック ボックス | Forms.CheckBox.1 |
リスト ボックス | Forms.ListBox.1 |
テキスト ボックス | Forms.TextBox.1 |
スクロール バー | Forms.ScrollBar.1 |
スピン ボタン | Forms.SpinButton.1 |
オプション ボタン | Forms.OptionButton.1 |
ラベル | Forms.Label.1 |
イメージ | Forms.Image.1 |
トグル ボタン | Forms.ToggleButton.1 |
ActiveXコントロール追加の使用例
Dim obj As OLEObject
Set obj = ActiveSheet.OLEObjects.Add( _
ClassType:="Forms.CommandButton.1", _
Link:=False, DisplayAsIcon:=False, _
Left:=0, Top:=0, Width:=100, Height:=50)
コマンドボタンをシートの左上に追加しています。
※実行時の注意
ActiveXコントロールを削除/編集
図形オートシェイプと同様にShapesとして扱えます
ActiveSheet.Shapes(2).Delete
ActiveSheet.Shapes("CommandButton1").Delete
Shapesコレクションのインデックスを指定して削除します。
インデックスは数値または名称で指定できます。
With ActiveSheet.Shapes(1)
.Name = "名前"
.Top = 10
.Left = 10
.Width = 100
.Height = 50
End With
プロパティ・メソッドは多数存在します。
以下を参照してください。
図形(Shape)関連のプロパティ、メソッド一覧
ActiveXコントロールとして扱う
この「オブジェクト名」つまりNameプロパティとShapeのNameプロパティは別々のものになります。
Shapeとしての名前と、ActiveXコントロールとしての名前は別だという事です。
With ActiveSheet.OLEObjects(1)
.Name = "名前"
.Top = 10
.Left = 10
.Width = 100
.Height = 50
End With
With ActiveSheet.OLEObjects("CommandButton1")
.Delete
End With
ActiveXコントロールの設定/情報取得
シートモジュールで、
ここでは代表としてコンボボックスとチェックボックスについて使用例を掲載します。
コンボボックスをシートモジュールで扱う
Me.ComboBox1.ListFillRange = Me.Range("A1:A10").Address
コンボボックスのリストに、自身のシートのA1:A10を設定しています。
Me.ComboBox1.ListFillRange = Sheet1.Range("A1:A10").Address(external:=True)
他シートの場合は、設定文字列にシート指定(external:=True)が必要になります。
Me.ComboBox1.ListFillRange = ""
Me.ComboBox1.AddItem "A"
Me.ComboBox1.AddItem "B"
Me.ComboBox1.AddItem "C"
リストとして固定値を設定しています。
ListFillRangeに設定済の場合はAddItemがエラーになるので、事前にListFillRangeを消去しておきます。
MsgBox Me.ComboBox1.Value
コンボボックスの値を取得しています。
値の取得は、.Textでも取得できます。
チェックボックスを標準モジュールで扱う
Sub sample1()
Dim ws As Worksheet
Set ws = ActiveSheet
Dim obj As OLEObject
For Each obj In ws.OLEObjects
If obj.progID = "Forms.CheckBox.1" Then
obj.Object.Value = True
End If
Next
End Sub
シートのすべてのActiveXコントロールのチェックボックスにチェックを付けています。
OLEObjectsコレクションからOLEObjectオブジェクトを取り出し、
その中のObjectプロパティで取得されるオブジェクトに目的のコントロールが入っています。
イベントプロシージャーの作成
ワークシートやブックのイベント作成手順と同じになります。
これはそのままにして勧めてください、不要な場合は後で削除します。
右のドロップダウンでイベントを選択します。
この追加されたプロシージャーの中に、必要なVBAコードを記述します。
Private Sub ComboBox1_Change()
If Me.ComboBox1.Value = "" Then
MsgBox "コンボボックスの値が消去されました。"
Else
MsgBox Me.ComboBox1.Value
End If
End Sub
ActiveXコントロールの最後に
大抵の場合は、フォームコントロールで対応できますので、まずはそちらで検討してみてください。
フォームコントロールではできない、より細かい操作が必要な場合は、むしろユーザーフォームを検討してみてください。
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