Google Apps Script入門
セルに数式を入れる

Google Apps Script(GAS)の入門解説です
公開日:2016-12-01 最終更新日:2016-12-01

第27回.セルに数式を入れる

Google Apps Script で、スプレッドシートのセルに、


計算結果ではなく、計算式そのものを入れる場合のほうほうについての解説です。

スクリプトで処理する場合は計算結果を入れる事が多いのですが、時に計算式を入れた方が後の使い勝手が良い場合もあります。


以下の表において、
金額(D列)に、単価(B列) * 数量(C列) の計算式を入れます。

Google Apps Script 参考画像


setValueを使う

function mySample27_1() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet()
  var lastRow,strformula
  lastRow = sheet.getLastRow()
  for (i=2; i<=lastRow; i++) {
    strformula = "=B" + i + "*C" + i
    sheet.getRange(i, 4).setValue(strformula) 
  }
}

D2セルに入れる数式は、
=PRODUCT(B2,C2)
この文字列を作って、
setValueでセルに入れています。


setFormulaを使う

function mySample27_2() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet()
  var lastRow,strformula
  lastRow = sheet.getLastRow()
  for (i=2; i<=lastRow; i++) {
    strformula = "=B" + i + "*C" + i
    sheet.getRange(i, 4).setFormula(strformula)
  }
}

setValueと同じになります。
数式を入れるなら、setFormulaを使った方がわかり易いと思いますが、
このような数式を入れるのであれば、どっちを使っても構いません。


setFormulaR1C1を使う

function mySample27_3() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet()
  var lastRow
  lastRow = sheet.getLastRow()
  for (i=2; i<=lastRow; i++) {
    sheet.getRange(i, 4).setFormulaR1C1("=RC[-2]*RC[-1]")
  }
}

R1C1形式で数式を作成し、
setFormulaR1C1でセルに入れています。
数式の書き方がR1C1形式であるということなだけで、
setFormulaと基本的には同じ機能になります。

function mySample27_4() {
  var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSheet()
  var lastRow
  lastRow = sheet.getLastRow()
  for (i=2; i<=lastRow; i++) {
    sheet.getRange(i, 4).setFormulaR1C1("=PRODUCT(RC[-2],RC[-1])")
  }
}

関数もそのまま記述すればだいじょうぶです。
もちろん、R1C1形式でなければ、
setFormulaで関数を使っても構いません。


R1C1形式

セルの相対位置、つまり、計算式を設定しようとしているセルからの移動量を、
行位置をRに続けて記述し、列位置をCに続けて記述します。

R ・・・ Rの後に何も記述しない場合は同一行
C ・・・ Cの後に何も記述しない場合は同一列
R1 ・・・ Rの後に数値のみ記述した場合はその絶対行数
C1 ・・・ Cの後に数値のみ記述した場合はその絶対列数
R[1]・・・ Rに続けて[数値]とした場合は、数値行数分、行位置をづらした行
C[1]・・・ Cに続けて[数値]とした場合は、数値列数分、列位置をづらした列

これらを組み合わせて、計算式を設定するセルからの位置を指定します。

例.C5セルに計算式を設定する場合
RC1 ・・・ A5セル
R1C ・・・ C1セル
R[1]C[2] ・・・ E6セル
RC[-1] ・・・ B5セル

このようになります。


setFormulas
setFormulasR1C1

といったものもありますが、特に覚えなくてもスクリプトを書くうえで困ることはないと思います。


setFormula
setFormulaR1C1

どちらを使っても構いませんが、
列位置がずれないのなら、絶対参照としてsetFormulaの方が理解しやすいかもしれません。
逆に、列位置がずれることも考慮するならsetFormulaR1C1で相対参照で書いておくと良いでしょう。



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