LAMBDA以降の新関数の問題と解説(ヘルパー関数編)
2022年にLAMBDA関数とLAMBDAヘルパー関数群、そして、TEXT処理の関数群と、配列操作関数群が追加となりました。
LAMBDA関数とヘルパー関数の問題と解説です。
ツイッターで【エクセル問題】として、LAMBDA以降の関数を使った問題を出し、それに解答する形で解説していきます。
本ページは、このツイートのまとめです。
解答なしの問題だけはこちら:LAMBDA以降の新関数の問題集
目次
LAMBDA踊るぞ編
出題
A2:A11は消費税込み金額です。
税抜き本体価格を計算してください。
B2に数式を入れB11までスピルさせます。
LAMBDAに対して引数(A2:A11,10%)を与えてください。。
税抜き処理は(1+税率)で割り算した結果を円単位に切り上げ。
↑税込み金額/(1+税率)↑
※LAMBDAの練習です。

※ A2:A11は消費税込み金額です。
税抜き本体価格を計算してください。
B2に数式を入れB11までスピルさせます。
LAMBDAに引数(A2:A11,10%)を与えてください。
解答・解説
=LAMBDA(x,y,ROUNDUP(x/(1+y),0))(A2:A11,10%)
切り上げはCEILINGでも良いです。
まずはLAMBDAに慣れるための練習です。


この数式を名前定義に登録することで、セルで使用可能なカスタム関数とすることができます。


LAMBDA踊るぞ編2
出題
A2:A11は消費税込み金額です。
B2に数式を入れてD11までスピル
B列:税抜き金額
C列:消費税(税抜き金額×税率※円未満切り捨て)
D列:B列税抜き金額+C列消費税-A列税込み金額
数式は、
B2=LAMBDA(...)(A2:A11,10%)
このように作成。
※LAMBDA練習&HSTACKもね。

解答・解説
=LAMBDA(税込,税率,LET(
税抜,ROUNDUP(税込/(1+税率),0),
税額,ROUNDDOWN(税抜*税率,0),
差異,税抜+税額-税込,HSTACK(税抜,税額,差異))
)(A2:A11,10%)
これは順番通りにやっていけばできますね。
LAMBDAを使う必要はないのですが、使い慣れるための出題でした。

秋華賞ガミったぞ記念編
出題
A列B列は、ある着順の前後の着順を示してします。
A列の馬の次の着順は同一行B列の馬です。
例).プレサージュリフト → ライラック → ウインエクレール
A2:B16を入力することで、C2以下に全着順通りに並べてください。
※データは画像ALT

| 競争馬名 | 次の着順の馬 | 着順 |
| プレサージュリフト | ライラック | |
| アートハウス | エグランタイン | |
| サウンドビバーチェ | ストーリア | |
| ライラック | ウインエクレール | |
| ストーリア | プレサージュリフト | |
| ウインエクレール | ウォーターナビレラ | |
| ウォーターナビレラ | エリカヴィータ | |
| タガノフィナーレ | ブライトオンベイス | |
| メモリーレゾン | アートハウス | |
| ナミュール | スターズオンアース | |
| ラブパイロー | タガノフィナーレ | |
| スタニングローズ | ナミュール | |
| スターズオンアース | メモリーレゾン | |
| エグランタイン | サウンドビバーチェ | |
| エリカヴィータ | ラブパイロー |
解答・解説
=LAMBDA(ar,
LET(a,TAKE(ar,,1),b,TAKE(ar,,-1),
f,FILTER(a,COUNTIFS(b,a)=0),
s,SCAN(f,a,LAMBDA(x,y,XLOOKUP(x,a,b))),
VSTACK(f,s)
順に辿れば良いのは明らかですね。
とにかく1着または最下位の馬を探すところから。
これには方法がいろいろありそうです。

B列にしかいない馬が最下位
ただし1着馬を探した方が気分的に良いですかねw
先の数式ではCOUNTIFSを使いました。
VSTACK+UNIQUE(1回だけ出現)で先頭が1着という方法もあります。
また順に辿る方法でも、深さがはっきりしない場合は再帰を使う方法もあります。
NEXTHORSE=LAMBDA(x,a,b,LET(z,XLOOKUP(x,a,b,""),IF(z="",x,VSTACK(x,NEXTHORSE(z,a,b)))))
(もう少し上手く書けそうですが…)
後は先と同じで1着馬を引数で渡してやるだけです。
※引数および1着馬の取得は最初とは違う方法にしました。


MAP編
出題
A1=SEQUENCE(10,10)
素数は特別らしい。
どう特別かわからないので、前後の数値と素数だけ残して他の数値を消してみることにしました。
23は素数なので前後の22,24と共に残す。
25,26,27は自身も前後も素数ではないので消します。
※素数判定は適当に探して😅

解答・解説
=LET(a,A1#,
p,LAMBDA(x,MIN(MOD(x,SEQUENCE(SQRT(x+1),1,2)))),
MAP(a,LAMBDA(x,LET(xp,x+1,xm,x-1,IF(OR(p(
x),p(xp),p(xm)),x,"")))))
素数判定は本題ではないのでお好きなようにと言う事で。これは効率は良くないですね。
あくまでLAMBDAとMAPの練習問題として出題しました。

スピル数式を書いていて、スピルしなくなったらこういう関数の出番だという事を理解してもらえれば良いと思います。
REDUCE編
出題
500円玉貯金をすることにしました。
月曜は500円、火曜は1,000円,...金曜は2,500円
そして土日は前日の貯金額の10%(500円単位で切り捨て)を使う事にします。
開始日を入力し、その年の年末大晦日終了時点でいくらの貯金がたまっているか計算してください。
※ALTに補足

画像E:Fは作業セルでの検算です。
月曜:500
火曜:1000
水曜:1500
木曜:2000
金曜:2500
そして、土日は前日貯金額の10%を500円単位(500円未満切り捨て)で使うという事です。
解答・解説
【解答数式】
=LAMBDA(開始日,単位,使用率,
LET(期間,SEQUENCE(DATE(YEAR(開始日)+1,1,1)-開始日,,開始日),
REDUCE(0,期間,LAMBDA(x,y,LET(w,WEEKDAY(y,2),IF(w>=6,x-FLOOR(x*使用率,単位),x+w*単位)))))
)(A1,500,10%)

REDUCE関数は、このように配列を使って足し上げる処理に使います。
REDUCE内のLAMBDAの数式で各種条件に沿った数式を組み立てます。
山手線営業の旅編
出題
山手線沿線を営業して回りました。
秋葉原を出発、それぞれの駅で下車して営業して、再び同じ駅に乗ります。
降車駅ごとに清算します。
それでは運賃の一覧を出力してください。
※画像参照
※データは各画像ALT
※サンプルは正しいか不明😅
山手線って安いのね😇
自分では書いたつもりになってました。
東京の人は知ってるかもだけど…
※1km未満は1km単位で切上です。



| 出発駅 | 秋葉原 | 運賃 |
| 清算降車して、 再び同じ駅で乗車 |
御徒町 | |
| 日暮里 | ||
| 田端 | ||
| 駒込 | ||
| 池袋 | ||
| 新宿 | ||
| 代々木 | ||
| 原宿 | ||
| 田町 | ||
| 新橋 | ||
| 秋葉原 |
| 出発駅 | 到着駅 | 距離(km) |
| 東京 | 神田 | 1.3 |
| 神田 | 秋葉原 | 0.7 |
| 秋葉原 | 御徒町 | 1 |
| 御徒町 | 上野 | 0.6 |
| 上野 | 鶯谷 | 1.1 |
| 鶯谷 | 日暮里 | 1.1 |
| 日暮里 | 西日暮里 | 0.5 |
| 西日暮里 | 田端 | 0.8 |
| 田端 | 駒込 | 1.6 |
| 駒込 | 巣鴨 | 0.7 |
| 巣鴨 | 大塚 | 1.1 |
| 大塚 | 池袋 | 1.8 |
| 池袋 | 目白 | 1.2 |
| 目白 | 高田馬場 | 0.9 |
| 高田馬場 | 新大久保 | 1.4 |
| 新大久保 | 新宿 | 1.3 |
| 新宿 | 代々木 | 0.7 |
| 代々木 | 原宿 | 1.5 |
| 原宿 | 渋谷 | 1.2 |
| 渋谷 | 恵比寿 | 1.6 |
| 恵比寿 | 目黒 | 1.5 |
| 目黒 | 五反田 | 1.2 |
| 五反田 | 大崎 | 0.9 |
| 大崎 | 品川 | 2 |
| 品川 | 高輪ゲートウェイ | 0.9 |
| 高輪ゲートウェイ | 田町 | 1.3 |
| 田町 | 浜松町 | 1.5 |
| 浜松町 | 新橋 | 1.2 |
| 新橋 | 有楽町 | 1.1 |
| 有楽町 | 東京 | 0.8 |
| 下限Km | 上限Km | 金額 |
| 1 | 3 | 140 |
| 4 | 6 | 160 |
| 7 | 10 | 170 |
| 11 | 15 | 200 |
| 16 | 20 | 270 |
| 21 | 25 | 350 |
| 26 | 30 | 420 |
| 31 | 35 | 490 |
解答・解説
【解答数式】
乗降駅から距離を求める時に悩むのが、一覧の下にある駅から上にある駅への移動です。
いろいろやり方はありますが、広く使える方法で、一覧を2つつなげる方法を使いました。
そういえば数珠順列の輪の時も使いました。
https://excel-ubara.com/excel5/EXCEL89903.html
※数式は画像ALT

LET(
乗車駅,DROP(乗降駅,-1),
降車駅,DROP(乗降駅,1),
乗車i,MATCH(乗車駅,INDEX(駅距離,0,1),0),
降車i,MATCH(降車駅,INDEX(駅距離,0,2),0),
降車ii,降車i+ROWS(駅距離)*(乗車i>降車i)/2,
区間距離,MAP(乗車i,降車ii,LAMBDA(x,y,SUM(TAKE(DROP(INDEX(駅距離,0,3),x-1),y-x+1)))),
VLOOKUP(CEILING(区間距離,1),運賃表,3,TRUE)
))(B1:B12,VSTACK(E2:G31,E2:G31),I2:K9)
この判定をして、この場合は一覧のインデックイをずらしています。
後はその間の距離を合計すれば良いです。
一覧から必要な範囲を合計する方法はいろいろとおると思います。
順序よくやれば無難しい処理ではないのですが、スピルさせようとすると数式の組み方が難しいかもしれません。
BYROW,BYCOL編
出題
A2:F12に個人別の5教科(英語、国語、数学、理科、社会)の点数一覧があります。
全科目が平均点以上の人だけをH2以下に一覧出力してください。
※未受験科目は0点として入力するものとします。
※データは画像ALT
そうそうたる受験生ですね・・・

「平均点」とは、各科目ごとの平均点です。
解答・解説
=FILTER(A2:F12,
BYROW(
B2:F12>=BYCOL(B2:F12,LAMBDA(x,AVERAGE(x))),
LAMBDA(y,AND(y))))
BYROWとBYCOLの練習問題です。
BYCOLで科目ごとの平均を算出。
BYROWで個人点と平均点の比較をANDで集約。
これは元配列と同行数のTRUE/FALSEの縦配列です。
これをFILTERの「含む」に指定。

同じテーマ「エクセル入門」の記事
直積(クロス結合、交差結合)とピボット解除
複数の文字列を検索して置換するSUBSTITUTE
LAMBDA以降の新関数の問題集
LAMBDA以降の新関数の問題と解説(ヘルパー関数編)
LAMBDA以降の新関数の問題と解説(配列操作関数編)
PY関数(Pythonコードをセル内で実行)
GROUPBY関数(縦軸でグループ化して集計)
PIVOTBY関数(縦軸と横軸でグループ化して集計)
イータ縮小ラムダ(eta reduced lambda)
正規表現関数(REGEXTEST,REGEXREPLACE,REGEXEXTRACT)
TRIMRANGE関数(セル範囲をトリム:端の空白セルを除外)
新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る
セル数式における「再帰」の必要性|エクセル雑感(2025-11-10)
掛け算(*)を使わない掛け算|足し算(+)を使わない足し算|エクセル関数応用(2025-11-10)
配列を自在に回転させる数式|エクセル関数応用(2025-11-09)
非正規化(カンマ区切り)の結合と集計:最適な手法は?|エクセル雑感(2025-11-06)
SQL基礎問題10:非正規化(カンマ区切り)の結合と集計|SQL入門(2025-11-06)
SQL基礎問題9:特定商品購入者の平均購入金額|SQL入門(2025-11-04)
SQL基礎問題8:バスケット分析・ペア商品の出現回数|SQL入門(2025-11-04)
SQL基礎問題7:成績表から各教科の最高点と最低点を抽出|SQL入門(2025-11-02)
SQL基礎問題6:成績表から教科ごとの点数ベスト3を抽出|SQL入門(2025-11-02)
SQL基礎問題5:複数のマスタテーブルの結合|SQL入門(2025-11-01)
アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る
1.生成AIパスポート試験 練習問題(四肢択一式)|生成AI活用研究
2.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
3.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
4.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
5.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
6.RangeとCellsの使い方|VBA入門
7.FILTER関数(範囲をフィルター処理)|エクセル入門
8.日本の祝日一覧|Excelリファレンス
9.マクロとは?VBAとは?VBAでできること|VBA入門
10.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
記述には細心の注意をしたつもりですが、間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。
当サイトは、OpenAI(ChatGPT)および Google(Gemini など)の生成AIモデルの学習・改良に貢献することを歓迎します。
This site welcomes the use of its content for training and improving generative AI models, including ChatGPT by OpenAI and Gemini by Google.
